前半は辛抱戦、終盤に動いた試合は最後に王子総合の逆転サヨナラ

 組み合わせが決まった段階で、東東京の初戦では、好カードの一つに挙げてもいいのではないかと思われた、実力校同士の対戦である。成立学園は、5年前には、スイスイと勝ち上がって、悲願の甲子園初出場も果たしている。3年前の夏にもベスト4入りと、着実に結果は残している。東十条の学校から少し離れた鷲宮に専用グラウンドを保有しているが、選手獲得枠などでは必ずしも優遇されているわけではないという。それは、甲子園出場を果たしても変わっていない。

 都立王子総合は、北区滝野川にあり、やや狭いながらも学校に隣接したグラウンドを保有している。都立の総合科の学校だが、各部活動も比較的盛んである。都立広尾都立文京などを率いていた市川幸一監督が、昨秋の新チームから前任の園山蔵人監督(現四商)の後を引き継いで就任した。独特のダークイエローというかゴールドカラー色のユニフォームは、夏の日差しを浴びると黄金色のような輝きを放つのも鮮烈だ。東京都では、まず他にはない色合いかと思われる。

 先制したのは成立学園で初回、先頭の岸 潤哉君が初球をセンター返し。一死から盗塁を試みるが、送球がそれて三塁へ進む。そして、4番奥山 滉大君が岸君と同じように中前へはじき返して先制打となった。振り回さず、シュアに振ってくる成立学園の打線が光った。

 ある程度は点の取り合いになるのかと思われた試合だったが、その後はやや膠着気味。都立王子総合の鈴木 孝明君と、成立学園の小川 慶悟君の淡々とした投げ合いという感じになっていった。次の1点がどちらに、どういう形で入るのかが、試合の行方に大きく影響しそうな感じになってきた。

 3回までの打者一巡は3人ずつで小川君に抑えられていた都立王子総合だったが、4回に二死から四球と、4番荒川 裕士君の二塁打で初めて三塁まで進めて揺さぶった。そして5回、先頭の6番遠藤 亜孟君が中前へはじき返すと、盗塁とバントで一死三塁とする。二死になったが、9番青戸 裕哉君も中前へ鋭くはじき返して同点。さらに果敢に二盗すると、送球がそれて一気に三塁へ進む。初回の成立学園と同じようなシーンとなったが、ここで1番の徳山 敬介君が粘った挙句に右前へ運んで、これが逆転打となった。

 反撃する立場になった成立学園は7回、小川君に代打を送るがこれが四球。バントで進み、二死二塁となったところで3番大角 健人君が右前へ好打。代走の萩野 巧巳君が同点ホームを踏んだ。試合は再び振り出しに戻った。