東海大菅生、日大三に快勝!先発・松本、8回を被安打3、奪三振10の無失点

 日大三の小倉全由監督に5月末に取材した時、「ポイントになるのは東海大菅生がどちらのブロックに入るかだ」と語っていた。

 早稲田実業となら激しい打ち合いになるだろうが、打ち合いなら負けない自信が、日大三にはある。それに対して東海大菅生は守りのチームで、勝手が違う。

 春季都大会で対戦した時は、東海大菅生の先発・中尾 剛を打ち崩して勝ったものの、後から出てきた4人の投手からは、得点を奪えなかった。
 組み合わせ抽選の結果、勝ち進めば準々決勝で日大三東海大菅生が対戦することが決まった時から、両校ともこの対戦を意識して、それまでの戦いを繰り広げてきた。

 日大三の先発はもちろん、エースで主将の櫻井 周斗東海大菅生は背番号11ながら、秋は背番号1で若林弘泰監督の信頼も厚い松本健吾が先発した。

 試合は1回表から動く。東海大菅生の1番・田中 幹也が右前安打で出塁すると、犠打と捕逸で三塁まで進み、4番・片山 昂星の四球で二死一、三塁とし、5番・奥村 治が左中間を破る二塁打を放ち2人が還り、東海大菅生が幸先よく2点を入れた。

 日大三の強力打線をもってすれば、2点差はさほど気にならないものだが、東海大菅生の投手陣がいいだけに、重くのしかかった。

 4回を終わって日大三が放った安打は、8番・津原 瑠斗の左前安打の1本だけ。井上 大成、櫻井、金成 麗生といった自慢の上位打線に当たりが出ない。

 すると5回表東海大菅生は1番・田中が中前安打で出ると二盗し、3番・佐藤 弘教の内野安打の間に生還した。田中は1年生だった昨夏は守備の人という印象であったが、この夏は、打撃もうまくなり、攻撃でもチームに貢献している。

 7回表には中前安打の8番・鹿倉 凛太朗が、2番・松井 惇のセンターオーバーの三塁打で生還。8回表には、内野安打の片山が、小玉 佳吾の死球や暴投で生還し、東海大菅生がじわじわと点差を広げる。

 反撃に出たい日大三であるが、東海大菅生の先発・松本の、140キロ前後の速球に、フォークボールなど、落ちる変化球に苦しみ、攻撃糸口を見いだせない。

 松本は8回を投げて被安打3、四死球1、奪三振10の無失点と、ほぼ完璧な投球。

 一方、苦しい投球が続いた櫻井であるが、9回表は、140キロ台半ばの速球にスライダーなどで、奪三振2の三者凡退に抑え、意地を見せた。櫻井は9回を投げ切り、被安打5、四死球4、奪三振9の自責点5。決して満足できる内容ではないが、好投手の片鱗はみせた。

 9回裏東海大菅生は、背番号1の戸田 懐生が登板。この回を、奪三振1を含む三者凡退で抑え、5対0で東海大菅生が勝利し、準決勝進出を決めた。

 早稲田実業日大三の2強対決が注目されていた西東京大会であるが、投手陣が充実した東海大菅生は、強力な対抗馬となっていた。したがって、日大三に勝ったことも、衝撃的ではあったが、決して番狂わせではない。3年連続準優勝の東海大菅生にとって、17年ぶりの夏の甲子園まであと2勝。まだ険しい道のりは続く。

 敗れた日大三は、上位打線の不振が響いた。ある種の負けパターンにはまった感じがあるものの、準々決勝で消えてしまうのは、あまりに惜しいチームであった。日大三は2001年から16年連続で準決勝以上に進むという、抜群の安定感を示していたが、対戦運もあり、その記録は途絶えた。それでも、秋、春の戦いは強烈な印象を残し、東京の高校野球ファンを引き付けた。新チームでもまた、素晴らしい戦いを期待したい。

(レポート=大島裕史)

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