早稲田実業・雪山、勢いに乗る国学院久我山打線を止める快投!


雪山 幹太(早稲田実業)

 早稲田実業國學院久我山と西東京を代表する強豪校同士の一戦が4回戦で実現した。

 昨春に続き、大会連覇を狙う早稲田実業はエース・雪山 幹太(3年)が好投を見せた。國學院久我山は3回戦の東亜学園戦で9回二死から逆転勝利。高校通算18本塁打の佐藤 孝則(3年)を中心に長打を打てる打者が多く揃うが、雪山と野村 大樹(3年)の早稲田実業バッテリーはクレバーな対応を見せる。初回を無失点で切り抜けると捕手・野村は「國學院久我山打者の反応を見るとストレートで押せる」と判断。事実、雪山のストレートは昨秋とは全く異なる質を示していた。

 スピードガンでは昨秋とほぼ変わらない135キロ前後も國學院久我山は差し込まれたフライやファールを連発。これは回転数があがっているからこそ為せる業である。ここは女房役・野村の弁を聴こう。
「秋まで雪山のストレートは軽かった感じたったんです。でも、今の雪山は他の投手が投げる135キロ程度でもストレートの伸びが違う。受けていて重さを感じますし、本当に良いストレートだと思います」。そんな雪山に4回裏、打線も応えた。

 

 一死から5番川原 峻(3年)が中前安打で出塁すると二死から7番生沼 弥真人(2年)の左前安打、8番雪山の四球で満塁。ここで打席に立った9番江本 達彦(3年)が、2ボール1ストライクから高めのストレートをとらえ、ライナーでレフトスタンドへ飛び込むグランドスラムで4点を先制。早稲田実業・和泉 実監督もこれには「江本は練習の時から鋭い当たりを見せていた選手で第1打席も痛烈な三塁ライナーを飛ばしているのを見て、次の打席で打ってくれると期待していたのですが、まさか本塁打とは」と驚きを隠せなかった。さらに1番茅野 真太郎(2年)も2者連続アーチとなる左越本塁打。試合の主導権は完全に早稲田実業のものとなる。

 早稲田実業の攻勢は続く。6回裏に押し出し四球で1点を追加し、國學院久我山の先発・問矢 大雅(2年)を降板に追い込むと、マウンドを引き継いだ渡邉 太陽(3年)に対しても2番・野田 優人(3年)が左前適時打、4番・野村も左前2点適時打。終わってみれば10対0と早稲田実業が6回二死でのサヨナラコールド勝ちでベスト8進出を決めた。

 3試合連続コールド勝ちの勢いを背に準々決勝では関東一と対戦する早稲田実業。6回被安打6・無四球無失点も「次の試合までしっかりと準備を行い、与えれた場所で全力で投げていきたい」と冷静さを失わないエース・雪山と、下位打線からでも長打で点が取れる打線のコンビネーションがかみ合えば、今大会のみならず、夏の西東京大会の優勝候補となることを確信させる圧勝劇だった。

(取材・写真=河嶋 宗一