試合レポート

横浜隼人vs平塚江南

2018.04.08

強力横浜隼人打線!平塚江南の好投手・富田を攻略し、6回コールド勝ち!

横浜隼人vs平塚江南 | 高校野球ドットコム
横瀬(横浜隼人)

 横浜隼人が初戦を迎えた。対するは好投手・富田歩を擁する平塚江南。試合は前半、競り合いとなったが、徐々に横浜隼人が地力の高さを発揮し、コールド勝ちを決めた。

 横浜隼人の先発・青山 美夏人は長身から振り下ろす角度ある速球が持ち味の大型右腕。立ち上がりから常時132キロ~135キロのストレートを両サイドへ散らすピッチングを展開する。初回、1番北村に三塁打を浴びるが、後続を切り抜けると、1回裏、横浜隼人は1番横瀬 辰樹が追い込まれてから132キロのストレートをとらえて三塁打。3番米満の犠飛で1点を先制する。

 だが2回表、平塚江南は二死から8番松岡、9番府川の連打でチャンスを作り、1番北村の場面でダブルスチールを仕掛け、送球間の乱れで三塁走者が生還し、平塚江南が同点に追いつく。前半3回までは平塚江南が押している雰囲気だった。

 しかし4回裏、横浜隼人は6番百合野の適時二塁打で勝ち越しに成功すると、流れは横浜隼人へ。二死二、三塁から再び1番横瀬。横瀬は133キロの外角ストレートをとらえ、レフトオーバーの適時二塁打で2点を追加し、4対1。そして2番河野がライトスタンドへ飛び込む2ランを放ち、6対1と突き放す。

 さらに5回裏、横浜隼人は6番百合野にも2ランが飛び出し、8対1と点差を広げた。

 横浜隼人の先発・青山は立ち上がり、直球中心の投球だったが、平塚江南の打者に直球を狙われているのを察知し、カーブ、チェンジアップの割合を増やした配球に切り替えた。ストレートを見せ球として使いながら、追い込んでカーブを使って三振を狙う投球で平塚江南打線を封じた。2年春から公式戦での登板が多くなった青山。ストレートのスピードは大きく変わったわけではないが、我慢しながら試合を作れるようになったのは大きな成長点。これでストレートが常時140キロ前後を計測するようになると楽しみだ。

 一方で、平塚江南の富田。躍動感があるフォームから勢いあるストレートを投げる本格派だ。投球フォームをさらに細かく分析すると、ノーワインドアップから始動し、左足を大きく上げてから、インステップ気味に踏み出していきながら着地を行う。左腕のグラブを斜めに伸ばして開きを抑える。そこから内回りのテークバックからリリースに入る。打者よりで離すことができており、リリースポイントは安定しており、体重移動もしっかりしている完成度の高いフォームだ。

 ストレートのスピードは常時128キロー133キロと突出した球速はないのだが、回転数が高く、手元まで勢いあるストレートを投げている。横浜隼人の打者を感じ方を見ると球速表示以上のものを感じていたのではないだろうか。変化球は120キロ前後のカット系の変化球、110キロ前後のスライダー、90キロ前後のカーブを投げる。投球としては外角中心にストレート、スライダー、カーブを投げ分けながらピッチングを構成。要所でストレートで押す投球。

 だが、その投球術が見抜かれ、後半につかまってしまった。富田は今年の神奈川の公立校の投手ではハイレベルな投手。ただ強豪校に渡り合うにはストレートのスピード強化は必要で、投球を見ると緩い変化が多く、バットに合わせられやすい変化球が多かった。強烈な変化をする縦系統の変化球や、球速があるカット系の変化球を身に着け、投球の幅を広げられると大きく変わりそうだ。


 

 そして6回裏、1番横瀬がこの回からマウンドに登った平塚江南の2番手・上村の内角直球をとらえ、レフトスタンドへ飛び込むソロ本塁打を放ち、9対1と点差を広げた。横瀬 辰樹は全国レベルのショートといってもいい選手ではないだろうか。

 横浜隼人戦士らしい闘志溢れるプレースタイルでチームを引っ張る横瀬。選手として目に付くのは身のこなしの良さが光る遊撃守備だ。グラブ捌きは柔らかく、バウンドの合わせ方がうまい。捕ってから投げるまでの動作が素早く、何においても器用にこなすところにセンスの高さを感じる。

 打撃は1番打者ながらパンチ力ある打撃が魅力だ。スクエアスタンスで構える姿は力みがなく、しっかりと投手に正対した構えは好打者と感じさせる。投手の足の動きに合わせて始動を仕掛ける横瀬のトップの動きを見ると捕手側方向にひいていきながらバックスイングをとる。体の奥に入りすぎず、ぐいっと体をひねらない形となっており、振り遅れが少ない。インパクトまで無駄がないスイングで、インパクトの瞬間で腰を鋭く回転させて振りぬく。上半身と下半身の動きが連動しており、体の回転でボールを飛ばす選手だろう。無駄な力が入らずそれでいて遠くへボールを飛ばす理想的なフォームとなっている。

 その後、連続押し出し四球で11対1と6回コールド勝ちで3回戦進出を決めた。好投手と対してもじわりじわりと攻めていきながら攻略する横浜隼人の攻撃力の高さは脅威。それほど力いっぱい振っているように見えなくても体の回転の使い方がうまい選手が多く、軽々と打球を遠くへ運ぶ技術を持った横浜隼人の打者のレベルは県内でもトップレベルといえるだろう。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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