一冬超えて食トレでパワーアップの錦城学園、その成果を見せた猛打爆発


好投の星天太投手(錦城学園)

 近年、着実に実績を挙げつつある錦城学園。千代田区のビジネス街のど真ん中に学校があるということで、基本的にグラウンドは学校には隣接していない。約1時間かけて、荒川河川敷の球場まで出かけての練習ということになる。だから、冬の間はすぐに日没になってしまうので、平日は狭い校庭などで筋力トレーニングなどを徹底してきた。そのうちのテーマの一つとして、体重増加を目指した食事トレーニングもあった。エースの星天太君などは、8キロも増量して、それが投球にも生きてきていたようだ。昨年秋は、ベスト16まで勝ち進んで、チームとしても自信を深めてきた。

「新チームがスタートした時は、一次予選を勝ち上がれるかどうかというくらいの状況だった」と、玉木信雄監督は言う。それだけに、秋の大会で勝って行ったことは、確実に選手たち自身にも手ごたえとなって行っていたのだろう。

 今大会初戦となった錦城学園だが、スタンドにはブラスバンドとチアリーダーも入って、フル装備の応援態勢だった。そんな応援にも後押しされて、初回から猛攻を見せた。

 初回の守りは、安打は許したものの、併殺で切り抜けて3人で抑えたその裏の錦城学園。先頭の坂本君が左前打で出ると、盗塁バントで一死三塁として、園田君の一打は高い飛球で送球も焦った相手野手が落球。1点が転がり込んだ。さらに、4番千明君も右前打で2点目。続く5番星君は素直にバットを出して右越二塁打で3点目。なおも一死二三塁で、野選と7番塚田君の右前タイムリー打も出ていきなり一挙5点のビッグイニングとした。

 2回にも錦城学園は二死一塁から星君が今度はバットコントロールよく左へ運んで左越二塁打して一走を帰す。これで、たまらず都立葛飾野の海洲安希央監督は、先発の佐藤 大地君を諦めて、二番手の左腕輪島君を投入した。しかし、錦城学園打線は、輪島君にも食い下がって、3回は一死二塁から9番舟津君が左翼手頭上を破る二塁打で7点目。さらに4回にも二死一塁で星君が盗塁を決めると、すかさず6番佐藤寛太君が右前打で帰す。なおも塚田君も右線へ三塁打して加点した。こうして、この回までに、9点を奪ったのだが、錦城学園打線は打球も強く、体重増加でのパワーアップも着実に進んでいることを示した。

 そして、失点を4回と6回の1点ずつに抑えて7回コールドゲームとした。

 玉木監督は、「試合としてはいいのでしょうけれども、星は突然ストレートの四球を出してしまうという悪い癖があって、それが4回に出て、結局そこから点を取られていますよね。それがなかったら、今日は満点あげてもいいんですけれども」と、好投を認めつつもさらなる精度を求めていた。それでも、昨秋の大会の戦い方をベースにしながら、守りも徹底的に鍛えてきたという成果も示し、この試合は無失策。昨秋ベスト8決めの試合で乱戦の末に失策絡みで敗れたことで、「上に行けばいくほど、しっかりと守れなければいけない」という意識もしっかりと作られてきたという。3月になってからは、河川敷のグラウンドで、限られた時間の中で、守りの練習に重点を置いてきたという。

 この春、20人ほどの新入部員が見込まれているという錦城学園。総勢60人弱の規模になりそうだ。そうした中から競い合っていくことで、チーム力はもっと上がっていくはずだ。

 都立葛飾野は、4回には四球の走者を置いて2番伊東健司君の二塁打で、1点を返した。さらに6回は高橋天翔君と小田稔也君の短長打で反撃機を作りながら、内野安打の間の1点のみにとどまってしまったのが痛かった。先発した佐藤 大地君は、度胸よく投げ込んできていて、腕もよく振れているかなという印象だったのだが、ややコースが甘かったところを錦城学園打線に掴まってしまった。

手束 仁

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。