両チーム合わせて計26安打の打撃戦を制したのは都立片倉だった。2回表、室津 泰介の2点適時三塁打と敵失で3点を先制した都立片倉だったが、その裏、桐朋が2番篠原岳周(3年)の同点適時打、3番片岡 卓馬(3年)の適時打、4番齋藤舜(3年)の適時打など打者11人の攻めで6点を入れる大逆転。

 しかし都立片倉は3回表、6番久森 柊悟(3年)のレフトへの2点本塁打。4回裏に1点を追加されたが、5回表には8番小川 聖也(3年)の適時打で1点差に追いつき、また2点差となれた8回表には、5番近藤 結陸(3年)の適時打で同点に追いつく。試合は延長戦となり、二死二塁の場面で頼みの4番石川 颯汰(3年)が中越え適時二塁打を放ち、9対8と勝ち越しに成功。その裏、都立片倉のエース・紙田 龍也(3年)がしっかりと抑え、都立片倉が逆転勝利で初戦突破を決めた。

 都立片倉の宮本秀樹監督は「今年は打撃が良い選手が多いので、例年と違って、細かい攻撃は仕掛けないようにしています」と語るように強打を全面に出した野球を実践。そこで中心打者となっているのが、4番石川。174センチ84キロと恵まれた体格をした左の強打者で、高校通算19本塁打に達した。この冬について「逆方向へ鋭い打球を打つこととスローイングの確実性を求めて練習をしてきました」と語る石川。10回表、二死二塁。その取り組みの成果を発揮する場面がやってきた。

 石川は「主将として何としても打とうと思った打席に入った」と気合を入れて臨んだ打席。高めのボールを捉え中越え適時二塁打。取り組んできた逆方向への打撃が大事な場面で実を結んだ。そしてリード面では「エースの紙田が本来の調子ではなかったので、タイミングをずらす投球を心掛けさせました」と強打の桐朋打線を交わすリードで、3回以降、大量失点を与えなかった。

 また都立片倉は6番久森の強打にも注目だ。宮本監督は「調子の波が激しいところが課題ですが、この大会になって調子が上がってきましたし、強打の遊撃手です」と評価する久森は、175センチ65キロと細身だが、逆方向へ強い打球が打てて、思い切りが良い打撃と三遊間の深い位置からでもアウトにできる強肩が魅力だ。3回表には追撃となる2ラン(高校通算第2号)。久森は「レフトへの長打を打ったことはあるんですけど、本塁打は初めてで、逆方向へ強い打球を打つことを目指してやっていたので嬉しいです」と笑顔を見せた。久森が貫くのは「フルスイング」。このフルスイングで都立東大和戦に立ち向かっていきたい。

 惜しくも敗れた桐朋だが、2番手・百合 泰祐(2年)は楽しみな右の本格派だ。調布シニア出身の逸材は177センチ66キロと手足の長さが目に付く。投球フォームは足上げ、テークバック、フィニッシュの一連の流れがなめらかで、ストレートも常時120キロ後半~133キロを計測し、120キロ前後のスライダーの切れもよく、高校2年生としてはハイレベルな実力を持っている。百合は「もっとストレートを強くできるようにして、昨夏、東海大菅生を3失点に抑えた中村拓海さんのような投手になりたいです」と強豪校相手に抑えられる投手を目指すことを誓った。

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◇本日開催予定の試合

春季東京都高等学校野球大会

春季東京都高等学校野球大会
1回戦 都立文京    9  -  2    成蹊 多摩市一本杉公園野球場
都立片倉    9  -  8    桐朋 多摩市一本杉公園野球場
都立紅葉川 19  -  5    京華 江戸川区球場
都立江戸川    6  -  3    駒場学園 江戸川区球場
日体大荏原    4  -  0    国際基督教大高 町田市営小野路公園野球場
都立総合工科    8  -  5    区立九段中等教育 町田市営小野路公園野球場
駒大高    3  -  2    城北 府中市民球場
都立保谷 10  -  6    筑波大附 府中市民球場
八王子実践 14  -  0    都立大崎 府中市民球場
桜美林    7  -  2    都立成瀬 ダイワハウススタジアム八王子(八王子市民球場)
都立日野    8  -  7    都立清瀬 ダイワハウススタジアム八王子(八王子市民球場)
工学院大附    9  -  0    都立南平 ダイワハウススタジアム八王子(八王子市民球場)
関東一 12  -  7    大森学園 明治神宮第二球場
上野学園 13  -  1    都立戸山 明治神宮第二球場
都立久留米西    9  -  8    都立秋留台 ネッツ多摩 昭島スタジアム(昭島市民球場)
都立石神井    2  -  0    聖徳学園 ネッツ多摩 昭島スタジアム(昭島市民球場)