つくば秀英vs岩瀬・筑波・つくば工科
シード・つくば秀英が岩筑つ連合を5回コールドで下し県大会出場決定!
つくば秀英・戸塚岳
県西地区代表決定戦第2試合は、今夏8強入りし、その主力メンバーが多数残るつくば秀英と、岩瀬・筑波・つくば工科の3校で結成した連合チームの対戦だ。
岩瀬と筑波は、今夏も2校で連合チームを結成して臨んだが、1回戦・佐和に対し0対12、5回コールドで敗れた。
つくば工科は、昨秋・今春と地区予選を勝ち抜き県大会に出場。特に今春は県大会で1勝するほどのチームだったにもかかわらず、3年生の引退後、残った部員はわずか4名。単独での出場は不可能となった。
この3校で結成した連合チームだが、前日に行われた1回戦では、つくば工科・鈴木悠馬(1年、永山中)、筑波・石島翔哉(1年、筑波東中)、岩瀬・仲田真典(2年、岩瀬西中)と3校それぞれのエースの継投で、結城一を10対3で下した。
つくば秀英の先発は、背番号1の左腕・戸塚岳(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)だ。今夏は背番号11でベンチ入りし、11・2/3回に登板した実績を持つ。
その戸塚は1回表、連合チーム打線を3者連続空振り三振に斬って取る。
1回裏、つくば秀英は先頭の川崎駿(2年、千代川中)が四球で出塁、2番・逆井はバントヒット、3番・倉持陸(2年、二川中)のセンター犠牲フライ、盗塁で一死二、三塁とする。ここで4番・長沼のサードゴロの間に三塁ランナーが生還し1点。さらに、エラーと7番・松本の適時ライト前ヒットなどで2点を追加する。
(岩瀬・筑波・つくば工科連合0対3つくば秀英)
岩瀬・筑波・つくば工科連合・仲田真典
3回裏、つくば秀英は3番・倉持がレフト前ヒットで出塁、一死後、5番・熊倉駿(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)の適時左中間三塁打で1点。6番・須藤の適時センター前ヒットで1点。さらにフィルダースチョイスやファーストへの悪送球などでこの回7点を追加する。
(岩瀬・筑波・つくば工科連合0対10つくば秀英)
4回表、岩瀬・筑波・つくば工科連合チームは初めて得点圏にランナーを進める。
先頭の2番・鴻田直樹(2年、筑波・筑波東中)がレフト前ヒットで出塁すると、3番・土田悠太(2年、つくば工科・豊里中)もセンター前ヒットで無死一、二塁とする。さらに一死後、5番・石島が四球でつなぎ一死満塁のチャンスを迎える。しかし、続く6番・池田洸(1年、永山中)は6-4-3のゲッツーに倒れ、チャンスをものにできない。
4回裏、つくば秀英は先頭の5番・熊倉がレフト前ヒットで出塁すると、代走に高木が送られる。一死後、7番・松本が送りバントを成功させ二死二塁とすると、8番・戸塚に代えて、今夏下級生ながら4番を務めていた金井洸樹(2年、結城南中)が代打に送られる。カウント3ボール1ストライクから、金井が強振した打球はレフトへの特大のホームランとなり、つくば秀英がこの回2点を追加する。
(岩瀬・筑波・つくば工科連合0対12つくば秀英)
ここでつくば秀英は、7番ファースト・松本に代えて、2番手に飯塚尚人(2年、鬼怒中)をマウンドへ送る。代打の金井がファーストへ、代走の高木がそのままセカンドの守備に就く。
後がない岩瀬・筑波・つくば工科連合チームだが、一死から8番・素村雅貴(1年、竹園東中)が四球で出塁するも、続く打者が斬って取られ、5回コールドが成立。
シードのつくば秀英が12対0、5回コールドで連合チームを下し、県大会出場を決めた。
ホームランの金井を出迎えるつくば秀英ベンチ
この試合で印象に残ったのが、つくば秀英打線の打球の鋭さだ。連合チーム先発の仲田の球速は目測で120キロ強だが、つくば秀英の各打者は難なくアジャストし、放つ打球はいずれも角度が低く、バックスピンがかかってぐんぐん伸びる。また、各打者のタイミングの取り方と、トップの位置からミートまでのバットの入れ方が似ているように感じた。もしかしたら、つくば秀英独自のバッティングメソッドがあるのかもしれない。そう思わざるを得ないほど、素晴らしい打球ばかりであった。機会があれば話を聞いてみたいものだ。
また、今夏背番号3で4番を打っていた主砲の金井洸樹は、腰痛でスタメン落ちしていたようだ。腰痛の具合が心配だが、今回の一発を契機とし、県大会では金井の打棒に期待したい。
一方、連合チームとして臨んだ3校だったが、先発した仲田の球威や、センター・鴻田の右中間へのダイビングキャッチなど、随所に光るところが見られた。しかし、課題を挙げるとすれば、やはり守備だろう。失策数は3だが、記録に残らないもの、内野安打になったもの、外野からの中継など、修正したい点はいくつかあった。
連合チームで1勝を挙げ、公式戦で勝つ喜びを味わった彼らだが、新1年生の入部状況によって、春はこのチームでは出場しない可能性がある。果たして冬場はどのような練習するのだろうか。今後は苦難を乗り越えながらどのように野球と向き合っていくのか。陰ながら見守っていきたい。
(文=伊達 康)