ウィークポイントを巡る攻防

  34年前に都立勢初となる甲子園出場を記録している都立国立が、4度の逆転劇があった接戦を制して初戦を突破した。

 都立国立は1回表、四球で出たランナーを送って作った1アウト3塁のチャンスに、3番・主将の髙野啓斗選手(3年)がライト前へタイムリーを放ち先制。対する東京電機大高も1回裏、ムードメーカー役でもある1番・上條陸選手(3年)が初球をライト線へ二塁打し出塁。続く送りバントはサードでアウトとされチャンスを逸したかに思われたが、4番・澤井俊紀選手(2年)、5番・青木宏樹選手(3年)、6番・高森軒佑選手(3年)の3連打で2点を奪い鮮やかに逆転。初回からいきなりシーソーゲームの口火は切られた。

 この試合の焦点を語る上で、どうしても避けられない話題がひとつある。それは「キャッチャーの肩」。ランナーを出すとスチールされてしまう可能性が高い――東京電機大高が抱えるこのウィークポイントを巡る攻防が、両チームの争点になり、ひいては試合展開にも大きく影響した。

 この試合で都立国立が記録した盗塁は14。ランナーが出れば、二盗、三盗、ダブルスチール……徹底的に走った。盗塁による攻略に手ごたえを感じたのは3回だろう。2アウトから1番・石川朔太郎選手(3年)がヒットで出塁し二盗。続く大神光太郎選手(3年)のセカンドゴロがエラーになった間に生還した。さらに2アウト2塁から三盗とパスボールが重なり一挙にホームインし逆転に成功する。

 東京電機大高も打撃で応戦する。1点を追う4回裏、先頭の高森選手がヒットで出塁すると7番・小俣一樹選手(3年)がストレートの四球を選ぶ。そしてレフト線へ2点タイムリー三塁打が出てまたまた逆転。会心の逆転打を放ったのは8番・キャッチャーの佐藤暉選手(2年)だった。さらにスクイズで1点を加点し、2点のリードを奪う。