方田 健斗選手 (菰野)

方田 健斗

球歴:菰野

都道府県:三重

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:182.0 cm

体重:81.0 kg

学年:卒業

寸評

 春未登板ながら、逸材多い菰野高校の中で、2011年度のエース番号を託されていた投手。少々上下動の激しいフォームながら、力強い球を投げ込む剛球タイプ。このたび、プロ志望届けを提出し、ニワカに注目度が増してきました。 (投球内容)  春未登板だったのは、故障ではなくフォームの狂いを調整するため。そのストレートは、コンスタントに135~後半ぐらいは出ていそうで、球威を感じさせる力強い球質。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップなど。大まかに両サイドに散らしつつ、追い込むとドロンと低めに落ちて行くチェンジアップで空振りを誘う。このチェンジアップが上手く抜けるときは、空振りを誘える球種となります。  私が観たのは、久々の実戦登板となった近大高専戦。そのためボールのバラつきも顕著であり、初回にスリーランホームランを食らうなど、まだまだ調整登板といった内容だった。ただこの投手、元々キメ細かい投球をすると言うよりは、馬力で押すスタイル。間合いを意識したり、微妙な出し入れに心がけるような投球センスを感じさせるタイプではない。。  牽制は、それほど鋭いものは魅せない。また状況に応じては、ランナーを無視して投球に徹するタイプ。フィールディングは、ノーステップでも二塁に送球できてしまうなど、素早い返球が目を惹きました。クィックは、1.2秒前後と基準レベルで、そういった部分では大きな欠点はありません。 (投球フォーム)  かなり上下動の激しいフォームで、足を高い位置まで引き上げるなど力投派です。 <広がる可能性>  引き上げた足を地面向けて伸ばすので、お尻を一塁側へは落とせません。そのため腕の振りが緩まないようなカーブや縦に鋭く落ちるフォークの修得は厳しいでしょう。今使っているカーブは、上のレベルでは見極められて使えないかもしれません。ただフォークの代わりにチェンジアップに落差があるので、これを代用できます。ただ残念なのは、「着地」までの粘りも甘いので、将来的にも球速豊かな変化球を、いかに磨くかにかかっています。すなわち、緩急をつけにくいピッチングスタイルになることが予想されます。 <ボールの支配>  グラブはしっかり内に抱えられているというほどではありませんが、最後まで体の近くにはあります。また足の甲での地面の押しつけも、長くはありませんが深く抑えることはできています。これにより大まかではありますが、ボールをある程度コントロールできます。「球持ち」も平均的なのですが、投球を見る限り指先の感覚はよくないタイプ。将来的にも、それほど繊細な制球力までは、身につけられないのではないかと考えます。 <故障のリスク>  お尻が落とせない割に、カーブを結構使ったり体を大きく振って投げる力投派なので、けして負担の少ないフォームではありません。更にテイクバックしたときに、明らかに肘が下がり、そこから引き上げてボールを角度をつけて投げ込むので、ボールを押し出すような無理なフォームになっています。肩などを傷めないように、日頃から体のケアには、充分注意してもらいたいものです。 <実戦的な術>  「着地」の早さから、打者からはタイミングが合わせやすいだけでなく、体の「開き」が早くボールの出所がわかりやすいのが気になります。これでは、球威・球速を磨いても、その効果は薄いものになってしまいます。  ただ腕の振り下ろしはよく、投げ終わった後もシッカリ体に絡んできます。これにより、速球と変化球の見極めは難しいでしょう。ただ「体重移動」では、上手くボールにウエートを乗せられておらず、まだまだ打者の手元まで生きた球が行きません。
更新日時:2011.10.04

将来の可能性

 かなり粗削りで、未完成な投手との印象を受けます。体に力があるので、まだまだ球威・球速を増して行く可能性は感じられます。ただ例えストレートが磨かれたとしても、今の着地や開きの早さのままならば、その効果は大きくないはず。更に「体重移動」や「球持ち」がよくならないと、ボールの質自体も向上しないと考えられます。  いずれにしても、かなり時間のかかりそうな素材型であり、総合力で今プロに入るほどの力はないと評価します。もう少し段階を踏んで、力を付けてからプロを目指す方がよろしいのではないのでしょうか。卒業後は、基礎体力はしっかりしていそうなので、独立リーグなどで実戦を多く積めるところで、力を養うのもいいかもしれませんね。数年後の大きな成長を、期待してみたいと思います。
更新日時:2011.10.04

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