下妻 貴寛選手 (酒田南)

下妻 貴寛

球歴:酒田南

都道府県:山形

ポジション:捕手

投打:右 / 右

身長:186.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

 昨秋から東北地区を代表する大型捕手として注目されていた下妻 貴寛。昨年の東北大会で、彼のプレーを見て、攻守の力量は同世代の捕手の中では高く、夏までワンランク成長を示すことが出来るかが、高卒プロ入りの課題と述べてきた。昨秋のプレーと見比べて、この夏のプレーを振り返っていきたい。 (打撃)  昨年から恵まれた体格を活かし、強烈な打球を飛ばすスタイルと述べてきた。今年になってアベレージヒッターの傾向が強くなった。 スタンスはスクエアスタンス。膝を折り曲げて猫背気味になった構えだ。グリップは肩と平行の位置に置いて予め捕手方向に引いている。これはトップを形成するまでの時間を省くためであろう。またバットを寝かせているので、インコースの捌き自体は難しくなる。 投手の踏み出し足が完全に着地した状態から仕掛ける。極端に遅い仕掛けであり、強打者タイプに多い仕掛け。仕掛けが遅くなるとトップの形成が遅くなるために差し込まれ易い欠点がある。また先述したようにバットを寝かせ、トップに入った時にグリップが身体の奥に入りすぎており、肘を畳むことが出来ず、インコースに詰まらされてしまう。 足の動きを見ていくと小さく足を上げて真っすぐ踏み出していく。軸のブレを小さくして、ミスショットする確率を減らし、高い確率で捉えていく狙いであろう。この選手が良いところは膝を使って、変化球を捌けるところ。山形大会決勝戦では膝もとに落ちる変化球に対し、手元まで引きつけて、膝を落として適時打を放ったが、この粘っこさが彼の長所。落ちる球でもシングルヒットに出来る技術が彼をよりアベレージヒッターの傾向を強くしているのではないだろうか。 (守備・走塁)  超高校級の肩等を見せるわけではない。ただすべてにおいて率なくこなす捕手で、リード面ではオーソドックスだが、たまに強気なリードを見せる選手だ。  キャッチングはしっかりと投手方向に向けることが出来ている。ミットも下げることもないので、ストライクが取りやすい。面が大きく、投手としては投げやすい雰囲気があるだろう。自慢の強肩だが、スローイングタイムは2.00秒前後を計測しており、高校生として基準のタイムを計測している。タイムが優れているではなく、ベース上にコントロールできていて、スローイングの球筋は安定している。リードは弱点があると思った打者には徹底的に攻めていく捕手で、それ以外にはオーソドックスに外角中心に配球を組み立てていく捕手だ。  塁間タイムは4.6秒ほどで、左打者に換算すると4.30秒前後で脚力は高くない。
更新日時:2012.12.21

将来の可能性

 2年秋の東北大会と何か変わったかというとそれほどでもない。彼の長所は頑強な肉体、肩の強さ、打撃の潜在能力の高さを評価されたのだろう。課題としては打撃面では課題が多い。ただ守備面はリードについて弱点があると思った打者に対しては徹底的に突く配球はなかなか良いことだと思う。スローイング、キャッチングも悪くなく、高卒捕手としてはそれなりのレベルに達している。  ただすべてにおいて超高校級かといったらまた別で、攻守両面で、高校時代とはまるで別人と思わせる成長を見せないといけないだろう。楽天は絶対的な正捕手・嶋、続いて強肩強打の岡島がいる。その中から定位置、一軍入りは並大抵の努力で成し遂げるのは不可能だろう。まずは4年経ってどんな捕手になっているか注目してみたい。
更新日時:2012.12.21

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