山下 雅人選手 (佼成学園)

山下 雅人

球歴:佼成学園

都道府県:東京

ポジション:外野手

投打:左 / 左

身長:185.0 cm

体重:85.0 kg

学年:卒業

寸評

 今年の西東京を代表する強打者 山下 雅人 。まさに御山の大将といった感じのプレーヤーだったのだが、意外に抑えるポイントは抑えているなと言う小賢しさが感じられる。ひょっとすると一見荒削りには見えるものの、長く野球界で生き残って行ける男かもしれない。そんな、新たな魅力を見出したこの夏。今回は、この男の可能性について、模索してみた。 (プレースタイル)  グリップを高く添えた、バリバリの強打者。打席では、実に堂々としてプンプンと強打者の臭いがしてくる。その一方で、外野守備では多くの打球を他の野手に任せ、自分は最低必要限の時にしか捕球しない積極性に欠けるプレー。ただそれが、何処か憎めないキャラクターなのだ。 (守備・走塁面)  先にも書いた通り、右翼手の守備は他人任せで正直上手くありません。打球への反応、落下点への入り含めて、かなり課題を感じます。スローイングの形も悪く、地肩のを活かせません。特に捕ってから投げるまでに時間がかかるなど、学ぶことが多そうです。そう考えると、上のレベルでは左翼を担うことになるのではないのでしょうか。  それでも一塁までの塁間を、4.15秒前後で走り抜けるなど、基準レベル以上の脚力があり、想像以上に動ける身体能力はあります。出塁すれば、積極的に盗塁を仕掛けるなど、そういった自信があることへの積極性は感じられます。図抜けた能力やそれを活かすセンスも感じませんが、持っているポテンシャル自体は低くありません。 (打撃内容)  背筋を伸ばしつつも前をしっかり見据え、グリップを高く添えた強打者スタイル。早めに動き出し、足を大きく引き上げて踏み込んできます。強打者にしては始動が早い傾向があり、打球が上がるタイプと言うよりは、強烈な球足が野手の間を抜けて行く中距離タイプの打者だと考えられます。ベースギリギリに立ち、更に踏み込み込んできます。そのぶん内角が少し窮屈になりそうなものの、打球の多くはセンターからライト方向に巻き込むスタイル。踏み込んだ足下がインパクトの際にブレないなどの良さはあるのですが、外の球も引っ張ってやろうと言う感じさえしてきます。  早めにトップの形を作り、そこから振り出すなど無駄な動きは見られません。少々柔軟性に欠けるきらいはあるのですが、上からミートポイントまで振り下ろしてきます。強打者ですが、荒々しい技術の欠点はなく技術的には高いものがあります。それでいてスイングの弧は強打者らしく大きく取り、最後まで振り切れています。足の上げ下げが大きなフォームのために、多少目線が動く傾向にはあります。しかし体の開きも我慢でき、軸足にも強さが感じられるので、軸も大きく揺らぐことはありません。かなり技術的なことを勉強し、それを実践できる頭の良さがあるようです。
更新日時:2011.08.01

将来の可能性

  圧倒的な才能にかまけて、好き勝手やってきた選手だと春見た時は思いました。しかし今回見ていると、自分の欠点や好いところを冷静にわかっており、また技術的にも抑えるポイントをしっかり抑えており、頭のいい選手であることがわかります。  ただここから先は、他人から学んで参考にするだけでなく、自分で考え見出しながら、プレーの幅を広げていったり、膨らませて行ける発想力とそれを成し遂げるための努力が求められます。そういった柔軟さがあるかどうかが、一つ大きなポイントになるのではないのでしょうか。また今まで逃げてきた苦手な分野にも、正面から向き合うことが求められるでしょう。大学などに進んで野球を続ける素材だと思いますので、どんな成長過程を辿るのか見守ってみたいですね。一人のプレーヤーと言う枠を越え、人としてその成長を見守ってみたい、そんな気持ちにさせてくれる男でした。
更新日時:2011.08.01

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