稲垣 翔太選手 (明豊)

稲垣 翔太

球歴:明豊

都道府県:大分

ポジション:投手, 三塁手

投打:右 / 左

身長:175.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

寸評

 下級生の時から、大分の強豪・明豊で活躍。三拍子バランスの取れたプレーで、チームを攻守で支える中心選手に。この夏の大分大会では、3本のホームランを放ち、県内にその存在を知らしめました。 (守備・走塁面)  打球への入り方が、非常に慎重で丁寧にボールを扱おうという意識が感じられます。打球への一歩目の鋭さや大胆さには物足りなさを感じますが、落ち着いてボールを処理する安定感が魅力。地肩もなかなか強く、充分に上のレベルでも通用するものがあります。もう少し動作の切り返しにキレやスピード感が出てくれば、上のレベルでも二遊間を担って行ける素材ではないでしょうか。  一塁までの塁間は、4.1秒台と、左打者としては中の上レベル。そのためプロレベルに混ぜてしまうと、それほど図抜けた早さではありません。また大分予選の5試合でも、盗塁は0個の数字が示す通り、走力はあるものの、走塁でアピールするプレースタイルではなさそう。  現状は、守備・走力共に、中の上レベルの選手。これを更に、今後売りにできるレベルまで引き上げられるかどうかで、この選手の付加価値は大きく変わって来るのではないのでしょうか。 (打撃内容)  打球は、センターからライト方向に引っ張る打球が多いのですが、左方向へも打ち返します。初球からガンガン打ちに来る攻撃なタイプで、大分大会では打率.500厘と打ちまくりました。甲子園では、ライト方向へのスリーベースを放ち存在感を示すことになります。 <構え>  足を少しだけ引いてますが、ほとんどスクエアスタンス。グリップの高さは平均的で、腰の据わり・両目で前を見据える姿勢、全体のバランスなど、大きく癖はありません。 <始動>  投手の重心が沈み込んだ時に始動する中距離打者が多く採用するスタイル。実際のプレー同様に、ある程度の長打力と対応力をバランスよく兼ね備えている打撃と一致しています。 <下半身>  足を軽く地面から浮かし、ベース側にインステップして踏み込んできます。足を上げてから降ろすまでの「間」は取れているので、いろいろな球に対応できるタイプ。しかし大分大会決勝の日本文理大附戦では、緩いカーブに上手くタイミングが合わせられませんでした。またベース側にインステップするということは、外角の球でもきっちり叩こうというスタイル。打球を引っ張ることの多い彼の打撃を考えると、苦手克服のために踏み込んでいることがわかります。内角の捌きには、相当自身を持っているようで、甘く入ると非常に強い引っ張りの打球が見られます。また踏み込んだ足元もブレないので、打ち損じは少なく甘い球を逃しません。 <上半身>  少し打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れている気が致します。これだと一定レベル以上の球速・キレのある投手には、立ち遅れる可能性があります。スイングは、上からミートポイントまで振り下ろすダウンスイング。ボールを捉えるまでに大きなロスは感じられず、捉えたあとも大きな弧を描いて振り抜きます。けして当てることを重視するよりも、強く叩くことに主眼を置かれたスイングになっています。それでも打率が高いのは、彼のミート能力が元々高いからだと思われます。 <軸>  足の上げも小さく、頭の動きが小さいのが特徴。体の開きも我慢でき、軸足も地面からしっかり伸びて力強さを感じさせます。体は大きくないのですが、しっかり踏み込んで大きく振りますし、天性のリストの強さも兼ね備えます。長距離打者ではないにしろ、ボールを飛ばせる資質に優れた強打者タイプ。あとは、打席での集中力と体に強さが出てくることが課題ではないのでしょうか。
更新日時:2011.09.12

将来の可能性

 ボールへの対応にも優れ、それでいて強く叩くスイングもできます。守備・走塁もそれなりで、すべてにバランスの取れたプレーヤーです。その反面、何が特徴があるのか、掴み難くなる恐れがあります。これから、大学や社会人などで野球を続けることになると思いますが、その中で自分の色を見つけて行くことが、今後の鍵となるでしょう。  まだ走・守・打撃に、プロという凄みや鋭さは感じられません。またプレーの中に、隙なしの集中力を見られるようになると面白い選手になると思います。プレーに「強さ」と「鋭さ」を追求して取り組んで行ければ、数年後は大いに期待の持てる未来が待っているでしょう。
更新日時:2011.09.12

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