安川 幹大選手 (帝京)
2021年度の帝京のカギを握る本格派右腕。軟式出身の好投手で、伸び上がる直球は惚れ惚れする。しかし秋季都大会では不調に終わった。一気にばければ、都内を代表する投手になる可能性がある。
<レポートから抜粋>
そして帝京の先発・安川 幹大も公式戦初登板。180センチ76キロと恵まれた体格、さらに肩、ひじが柔軟で、滑らかなテークバックから投げ込む直球は角度があり、切れのあるスライダー、チェンジアップ、ツーシームを投げ分け、スイングが鋭い聖パウロ学園打線を打たせてとる投球を見せた。
小松川第一中出身で、都大会3位経験のある実力派は帝京にあこがれ入学。江戸川区出身の安川は自宅から通っている。帝京伝統の三号飯など体づくりに取り組み、入学から体重が10キロ、球速も10キロレベルアップし、現在の最速は141キロ。そして背番号1を獲得したのはこの夏の成長が大きかったと前田監督は語る。
「夏も入っていたんですけど、調子が悪くて投げさせなかったんです。それが悔しかったのか。試合が終わってグラウンドに帰っていくと、ずっと投球練習をしていたんです。夏場でも意欲的にやっていましたよね」
190センチの長身右腕・植草 翔太のエース争いを制したのは総合力の高さだ。
「変化球の精度が非常に高いこと。そしてこの夏休みの練習も意欲的に取り組んでいたので、ベンチに入れることを決めました」
8月に取材したときの練習を振り返れば、フィールディング練習など1つ1つの練習をそつなくこなしていたことを思い出す。
そういったところが精神的な強さにつながっているのだろう。さらに投球のテンポも速く、すいすいと試合を作っていく。
安川の一番の武器というのは全体的な動作に無駄がなく、しなやかさがあることだ。
長く、帝京の投手を見てきたが、これほどスムーズな投球フォームをしていて、リズムよくストライクが取れて試合を作れる本格派右腕はなかなかいない。
それはモデルにしている投手は良いかもしれない。安川は岸孝之(東北楽天)にあこがれを持っており、柔らかく体を使う投球フォーム、伸びのある直球を参考にしており、伸びやかにワインドアップに入り、左足がすっと立った姿は美しい。一連の流れが実に綺麗で、力の入れどころが分かっている。
入学当時、植草や体の大きい同級生投手を目の当たりにして、どうしたらライバルに勝てるかを考えた結果、自分の武器である切れのある直球をに磨きを挙げ、1年夏からベンチ入り。一歩ずつレベルアップした成果がこの秋に出ている。
更新日時:2020.09.14
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