根本 侑星選手
寸評
高校通算40弾を超える長打力と、50メートル５秒台の快足。守備範囲も広く、落下点に一直線に入れる外野守備センスも問題なし。これだけでも十分に「超高校級」としての説明はつくが、谷口の凄さはプレーの「次元」が他の選手と圧倒的に異なるところだ。 ３年時の夏の県大会５回戦、相手は優勝候補の筆頭・東邦で、内野スタンドは満員状態。そんな舞台で谷口は第２打席、一・二塁間をゴロで破る安打を放つと、右翼手が打球を待って捕球する間に、一塁ベース過ぎから一気に加速して、瞬く間に二塁を陥れた。大観衆が注目する試合で、高度なプレーをいかにも涼しげにサラリとやってのける。それが谷口なのだ。 振りかえってみても、２年秋の県大会では、チームが先制された直後の攻撃で、先頭打者としてあっさり同点弾を放りこんだ。３年春の県大会初戦でも、多くのプロ球団スカウトが見守る中で、事もなげに１試合２弾。 「颯爽(さっそう)」「粋(いき)」「スマート」、そんな言葉が似合う、スター性をもった選手だ。
更新日時：2010.07.30
将来の可能性
「巧打者」という言葉で谷口を表す向きもある。確かに、バリバリのホームランバッターというよりは、鮮やかなハーフライナーやグラウンダーで間を抜く中距離タイプだからだろう。ヒットを打つセンスは相当なものがあり、単純にヒットメーカーでいくなら川崎宗則（ソフトバンク）クラスにも。ただ、軽やかにスタンドまで運べる長打力・技術を簡単に捨てるのももったいない。181センチと身長もあるだけに、10年後にプロでトリプルスリーを達成してくれないかな、と勝手に期待している。 いずれにせよ彼には、高校野球等アマチュアのグラウンドは狭すぎるはずだ。
更新日時：2010.07.30