溝口 太一選手 (佼成学園)
寸評
春季関東大会で 溝口 太一 を見た時は、確かサイドハンドだった気がする。しかしこの夏の大会で彼を見て驚いたのは、見事なまでのサブマリンに変わっていたのだ。僅か2ヶ月あまりの間に、しっかり実績を残しているなかフォームを変えてきたのは、驚きに値する。そんな変幻自在な男について、今回は取り上げてみたい。 (投球内容) 下手投げから繰り出すストレートは、常時120キロ弱ぐらい。以前のサイドの時は、120キロ台後半だったから、球速が落ちたのは確か。ただこの投手の面白いのは、高めの球筋と低めの球筋に別れていて、これを意識的に使い分けているとしたら面白い。そのストレートに、100キロ台のカーブに、110キロ台のシンカーを織り交ぜて来る。 特にコース一杯に投げ込む制球力、低めに集められる丁寧さも投球にあり、高校生としてはハイレベルな配球を実践している。しかしあまりにコースを意識するばかりに、早実戦では四球を連発し、それが失点につながった。もう少し投球をアバウトに考えないと、どんどん自らの投球を汲々と苦しいものに追い込んでしまう。 マウンド捌き、制球力は洗練されているが、勝負どころになると力を発揮するタイプではないように思えます。牽制は、下手投げでも上手く、クィックも基準である1.2秒前後で投げ込むことができ、モーションが大きくランナーに走られ放題と言う心配はない。
更新日時:2011.08.01
将来の可能性
これだけ決め細かい投球をするアンダースローを、久々に見た気がする。サイドでもかなり繊細な投球をしていた点と、基本的に腕を下げても持ち球が変わらなかったことが、すんなりに下手に移行できた要因だろうか。 昨今、プロに入るような下手投げは、力で押す力投派のサブマリンが主流。しかし彼は、コースを丹念に突く正当派のサブマリン。その繊細な投球で、上のレベルでどのぐらい通用して行くのか見てみたい。今後も、大学などでの活躍に期待してみたい。
更新日時:2011.08.01
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