昨夏準優勝の都立小山台・福嶋監督が語る「指導者として大事なこと」
福嶋正信監督
昨夏準優勝の都立小山台・福嶋監督が語る「指導者として大事なこと」
東京都の若手指導者を対象にした「第8回 若手指導者交流会」が開催された。今回の講師として参加したのは都立小山台の福嶋正信監督だ。昨年、東東京大会準優勝に導き、過去には21世紀枠として出場した2014年を筆頭に多くの大会で上位進出を果たし、さらに多くの生徒を難関大学に送り出すなど、教員としても、指導者としても、都立高のカリスマ的指導者と呼ばれる福嶋監督。
その歩みを振り返ると、熊本県八代東出身の福嶋監督は日体大に進むと野球を辞め、陸上競技部に所属。大学卒業後、1978年、都立足立工の監督に就任すると、都立葛飾野、都立江戸川、都立小山台に赴任して現在に至っている。
福嶋監督は現在の指導内容を説明していったが、その指導内容が年々進化しているのは、自省を行い、自分の弱みを理解した上で何ができるのかを実行していることだ。
理論はなく、若さと勢いで指導していた都立足立工時代の反省から多くの指導者と交流して勉強を重ね、都立小山台の練習メニューは他校を参考にしたメニューが多い。現在、野球日誌など日々、ノートでやり取りするようになったのは能力が高い選手が揃っていても勝ちきれなかった都立葛飾野時代での反省を生かし、都立江戸川に赴任してから野球ノートに取り組んだ。
また、都立江戸川時代の反省として、「葛飾野時代と同じく能力が高い選手がいたのに、勝ちきれなかった。それはミーティングの内容が甘かった」と反省し、今では週1回に必ず全体的にミーティングを行うようになった。また、福嶋監督は都立江戸川時代から動作解析を始め、今では動画をコマ撮りで画像を切り取り、全選手にフィードバックを行い、選手自身に考察を行わせている。なぜこの指導を取り入れたのかといえば、「私は大学で野球をやっていないので、技術面で踏み込んで教えることができなかったです。だから、多くのことを学ぶ必要があり、その1つが動作解析でした」とこの説明からでも福嶋監督は自分の指導能力を自覚し、その上で何ができるのかを考え、実行できた指導者だからこそ、都立小山台を強豪校へ育て上げたのだろう。
そして福嶋監督は指導者に求められることについて2つ答えた。
「真の情熱と環境を創ることだと思います」
この2つの言葉はまさに福嶋監督の指導者人生40年を現したものだといえるだろう。
昨夏準優勝の都立小山台の練習メニュー、準優勝の裏側については後日迫っていきたいと思います!お楽しみに!