2020年07月12日 徳島県鳴門総合運動公園野球場(オロナミンC球場)

徳島商vs那賀

2020年夏の大会 徳島県高等学校優勝野球大会 1回戦
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さすらいの四国探題 寺下友徳

徳島商「スタメン9人中8人が下級生」の理由



3回表二死一、二塁から中越2点三塁打を放った徳島商4番・幸坂 征太郎(1年・三塁手)

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 まず那賀の側から触れていこう。結果的には大敗に終わったが、シートノックから基本を大切にする守備の動きや、2安打がいずれもセンター方向という内容を見ただけでも、彼らが自分たちの練習でしてきたことを表現しようとしていたのは明らか。これからも2回裏に安打後、絶妙のタイミングで盗塁を奪った6番・竹内 偉織(2年・遊撃手兼投手・160センチ56キロ・右投右打・那賀町立鷲敷中出身)を中心にこれまでの姿勢を貫いていけば、秋は大会1勝以上の成果が十分に望める。

 裏を返せばこの試合における徳島商の強さは際立っていた。しかもスタメン9人のうち3年生は主将を務める2番・高岡 宏聖(右翼手・165センチ64キロ・右投左打・徳島市富田中出身)のみ。

 中でも11秒78で駆け抜けた三塁打など「誰にも負けたくない」50メートル走6秒2の俊足を見せ付けた1番・森 龍門(二塁手・右投左打・163センチ57キロ・石井町立高浦中出身)と、「中村 剛也(埼玉西武ライオンズ)さんのような脱力からのスイングを目標にして」中越三塁打含む2安打4打点と4番の仕事を果たした幸坂 征太郎(三塁手兼投手・170センチ90キロ・右投右打・徳島東リトルシニア出身)はいずれもこれが公式戦デビュー戦となった1年生。

 加えて「1年生が座ったことで火か付いた」(森影 浩章監督)2年生たちも、幸坂の存在でより積極的なスイング・スピードが活かされるようになった3番・栗林凌生(中堅手・176センチ68キロ・右投右打・徳島市川内中出身)を中心に躍動していた。

 だが、ここで皆さんの中には疑問が沸いてくるだろう。「独自大会は『3年生中心』がほとんどなのに、なぜ徳島商は3年生がスタメンではないのか?」。指揮官はその理由をこう明かす。
 「昨秋、初戦で川島に負けた(延長10回・14対15でサヨナラ負け)時点で、『4月以降は1年生も交えて競争する』ことは伝えておきました。かつ練習試合解禁後にも競争させた結果がこうなった。ということです」

 ただ、指揮官も決して情けが一切ないわけではない。実は高岡を除く3年生8人は「約束として」全員がベンチ入り。「集大成の時」に備えている。

 事実、この那賀戦でも後から出場した3年生3人は4回表に代打で満塁走者一掃三塁打を放った太田 駿輔(捕手・178センチ79キロ・右投右打・阿波市立市場中出身)を筆頭にいずれも結果を残すことに。そんな最上級生の姿勢を森、幸坂も「先輩たちについていって頑張るだけ」と十二分に感じ取っているのだ。

 今大会が甲子園に続かないからこそ3年生を優先して起用するのも1つの考え方であるならば、甲子園を現状目指せる下級生たちに、3年生たちが野球部の歴史をつなぐために託すのもまた1つの考え方。

 少なくとも言えるのは1年生たちを2年生が支え、さらにベンチスタートの3年生たちが背中で範を示す。そんな徳島商の戦い方は昨秋とは異なる強さをチーム内にもたらしているということである。

(取材=寺下 友徳

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