【21世紀枠候補】東大に現役9名合格する進学校！文武両道、粘り強さが武器の県立宇都宮！

試合後に校歌を歌う宇都宮ナイン　※写真提供＝宇都宮高校野球部父母会

　12月13日、日本高等学校野球連盟が来年の選抜の21世紀枠の9地区それぞれの推薦校を発表した。関東・東京地区の推薦校には栃木の宇都宮が選出された。

　この選出に篠﨑淳監督は、「1月24日まで夢を見ながら練習ができることにありがたみや感謝の気持ちをもって練習ができる」と選出された心境を語った。

　県立である宇都宮は、2019年度の早稲田大、慶応義塾大、東京理科大に20名以上現役で合格者を出し、東京大にも9名と発表されている進学校。篠﨑監督は宇都宮高校について、「学校全体で文武両道をするのが当たり前」だと校風について語る。

　授業が16時5分まで入っている曜日があり、練習が16時40分から開始。日が落ちる19時頃目安に全体練習が終了するため、2時間から2時間30分ほどの時間しかできない。その中でも宇都宮野球部は関東大会出場を目指して、新チームが始動した。

　栃木県大会は準々決勝で青藍泰斗に敗れベスト8で終わり、目標達成とはならなかった。しかし、「実力が目標に対して追い付かない、足りないと感じながら大会に入ったので、頑張ったと思います」と篠﨑監督は振り返る。

　ではこの結果に至った宇都宮の最大の武器は何なのか。篠﨑監督は「粘り強さ」というキーワードを出した。
　「選手1人1人は素晴らしいのですが、最初はチームとして完成していなかったです。チームとしての役割であったり、相手や組織に対して気遣ったりするのが足りなかったです。自分のことだけをやっている集団でした」

　そこで「チームのために自分のやるべきことや、役割をやろう」と選手たちに声をかけた。すると、大会で1勝を重ねるごとに次第に結束力が生まれ、守備であれば全員で粘り強く守る。打撃であれば、1球に対して食らいついていくような、武器となる粘り強さが出てきた。

　なかでも、背番号6ながら秋の大会でほとんど投げ抜き、秋季県大会の優秀選手に選ばれた風間奏人。そして攻守において勝負所で結果を残した3番・ライトの中山太陽。投打の柱を中心に全員で戦ったことで、文武両道で短い時間ながらでも県大会ベスト8進出。東京・関東地区の21世紀枠推薦校に選ばれるまで至った。

　21世紀枠推薦校の3校の発表は1月24日。夢と感謝の気持ちをもって練習に打ちこむ宇都宮のもとに吉報は届くのか。就任8年目の篠﨑監督率いる宇都宮のこれからに注目したい。

（記事＝田中 裕毅）

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