2年ぶりに聖地への鍵はキャップ?土浦日大が夏に勝つために必要な破壊力
横の対応力向上を狙ったキャップ打ち
地面にはキャップが転がっている中で練習を続ける
土浦日大のグラウンドを見ると、驚くものがバックネット付近に散らばっていた。それはペットボトルのキャップだ。
2人1組になって、1人がペットボトルキャップ投げの要領でキャップをはじき出し、もう1人が打つ。
取材をしてきて様々な練習を見てきたが、初めて見る練習に驚きを隠せなかった。しかしどうしてこういった練習を取り組んでいるのか。小菅勲監督に聞いてみた。
「この練習は2年くらいやっています。京都大学のサークルがやっているのをYouTubeで見まして。これがすべてではないですが、動体視力を鍛えるために、取り入れています」
バトミントンのシャトルを投げてもらい、それを打つ練習はよくあるメニューだ。しかし、「シャトルは上から下にしか動かない。けど、キャンプであれば横にも動くので、それで動体視力を鍛えつつ、対応力も磨いています」
また、「ティーバッティングであれば、一定にタイミングで同じようなボールしか来ない。なので、あまり考えなくなる」ということも懸念している小菅監督。これらを考えたうえで目のトレーニング、そして対応力を鍛え上げる狙いを持って、キャップを打っているのだ。
勝負強さを身につけて夏は打って勝ち上がれるように
小菅勲監督
実際にこの練習の効果は「どうですかね(笑)」と小菅監督は振り返るが、一昨年と去年も打率や打点は確かな結果を残した手ごたえは感じていた。
ただ現在のチームは、「あそこで一本出れば」という勝負所での一本出せることをテーマに掲げている。これは秋季大会で常総学院に延長13回までのタイブレークの末に敗れたことが関係している。
主将の五十嵐明斗も「常総学院戦では速球を前に飛ばせなかったですし、長打力も足りなかったです。ですので、課題をバッティングにしてキャップ打ちやロングティーだけではなく、身長-100を目標体重にしてウエイトトレーニングで増量もしています」と秋を振り返りつつ、来春に向けて準備に入っていることを語った。
「最終的に夏は打って勝つことを念頭に置かないといけない」と小菅監督も考えているからこそ、得点力不足に課題を感じてバッティングをメインに置いている。土浦日大が2年ぶりに聖地に戻るための鍵は、打てるチームへ変貌することにあるのだ。
(取材・田中 裕毅)
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