Column

新勢力が大きく躍動!秋の静岡は新時代の幕開け?

2018.10.19

決勝の舞台に上がったフレッシュな顔ぶれ

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決勝の舞台に立った2校

 近年の勢力構図では3強とされているのは静岡東海大静岡翔洋、この夏の出場校の常葉大菊川だ。ところが、この秋の決勝を争ったのは御殿場西清水桜が丘ということで、ややフレッシュな顔合わせとなった。御殿場西清水桜が丘を6対5で下して27年ぶりの優勝ということになった。かつて常葉菊川で全国制覇も果たした実績のある森下知幸監督が就任して3年目。攻撃野球の意識が定着してきた結果でもあった。一番の夏賀貞伍君は決勝では7打数6安打と大当たりだったが、センスの良さが光った。また、3番の二塁手・新井七輝君は、巧打もさることながら守りでも守備範囲の広さを示しており、チームの雰囲気としても常葉菊川の全盛期を思わせる匂いがあった。

 もっとも、決勝での御殿場西は22安打しながら19残塁という内容で延長11回の末に何とか振り切ったというものだった。積極的に次の塁を狙って攻めて行く姿勢示していたが、この試合では得点につながり切らず、拙攻という声もあるかもしれない。とはいうものの、これも持ち味と言ってもいいであろう。

 準優勝の清水桜が丘はかつての清水市商だが、新校名では初めての東海大会進出となった。準々決勝で東海大静岡翔洋を下したことも大きかった。決勝では、安打数では御殿場西の3分の1以下だったが、延長にまでもつれ込んだのは粘り強さの表れとも言えよう。敦賀渉君が粘り強い投球が出来るので、それが功を奏した。

[page_break台頭した公立商業校]

台頭した公立商業校

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肥後峻(加藤学園)と斉藤颯斗(静岡)

 静岡が何とか3位決定戦で残って東海大会進出を果たしたのはさすがだった。一昨年も3位から東海地区を制したという実績もあるので、これからチーム力が再整備されていくであろう。今春の甲子園経験者でもある齋藤來音君と、背番号11ながら実質エース的な立場でもある斉藤颯斗君は安定感もある。チームの層は厚く、個々のポテンシャルも高い。栗林俊輔監督は今年のチームを「例年以上に、泥くさく戦っていきたい」と見ているが、やはり、今季も県内の中心的存在となっていくことは間違いない。

 健闘が光ったのは加藤学園だった。東部地区予選1位で自信の出場だったが、悲願の東海大会進出はあと一歩ならなかった。米山学監督は、「まだ、力が足りないということか」と悔しがったが、1年生の肥沼峻君は、まだまだ伸びしろを感じさせる好素材である。櫻井龍星君と2本柱になっていけば、来春以降は、さらに台風の目となっていきそうだ。

 また。この秋は静岡商浜松商島田商袋井商というかつて実績のある公立商業校が健闘して県大会へ進出した。その一方で、常葉橘静清藤枝明誠と言った近年実績を挙げている私学勢が県大会出場を逃した。浜松修学舎聖隷クリストファー浜松開誠館と言ったところも、もう一つ勝ちきれなかった。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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