浦和学院初戦屈指の好カード、永遠のライバル・春日部共栄をコールドで退ける!



小林フェン直タイムリー二塁打

<秋季高校野球埼玉県大会:浦和学院11-0春日部共栄>◇21日◇2回戦◇県営大宮

 一昨日は雨により延期となり仕切り直しで迎えた埼玉の両雄の激突。

 Aシード・浦和学院vs今大会ノーシードの春日部共栄、最近は花咲徳栄の台頭によりその印象は薄れたが、埼玉で元々は長きに渡りライバル関係にある両校。春日部共栄が投票シードで漏れたことがきっかけでこの対決が初戦で実現した。

 熱戦が予想されたが試合は予想外の結末を迎えた。

 まずはスタメン、浦和学院は地区の与野戦と全く一緒のスタメン、一方の春日部共栄、筆者は新人戦の昌平戦以来となるが、今夏のスタメンは伊藤 悠哉(2年)と小田部 輝(2年)。夏5番を打っていた伊藤が現在4番、新人戦でも4番を打っていた。小田部は夏も新人戦でも6番を打っていたが、この日は1番に入り、6番には平尾 柊翔の弟拓翔(1年)が入る。その他、新人戦との変更点は3番に鳥谷越 大成(2年)が入り、8番には金田 映栄(2年)が入る。

 先発は浦和学院がエースの左腕・伊藤 充輝(2年)、一方の春日部共栄、新人戦でのエースナンバーは永井 泰清(2年)であったが、今大会のエースナンバーは今夏の登板経験もある右腕・林 大斗(2年)が先発し試合が始まる。

 浦和学院・伊藤は、制球力が良く、インコースにも投げ込める。左右打者によって投げられなくなる変化球もない。一方春日部共栄の林は綺麗な直球を投げる安定感タイプのオーソドックスな投手であり、両投手が序盤から持ち味を発揮し試合は両者無得点のまま4回を終える。

 迎えた5回表、浦和学院は一死から1番・喜屋武 夢咲(2年)が死球で出塁すると、続く篠塚 大雅(2年)はセカンドゴロを放つ。併殺かと思われたがセカンドの横を抜けるヒットとなり一死一、三塁とする。この場面試合の流れを変える大きなプレーであった。というのもセカンドがやや前進しセカンドへカバーをする動きをしていたことがきっかけで打球がセンターへ抜けたからだ。

「打たれる前バント牽制をした時にセカンドが少し動いたのが気になった。あそこはバントはないよと伝えたのだが、捕手が内野にきちんと指示をしたかどうか」(本多監督)

と、自らも現役時代セカンドであった本多監督は試合後悔やんだが、このプレーをきっかけとして堰を切ったように浦和学院打線が春日部共栄・林に襲いかかる。3番・小林 聖周(2年)がライトフェンス直撃のタイムリー二塁打を放ちまず1点、さらに続く三井 雄心(1年)がライト前へ2点タイムリーを放ち3点差をつける。これでは終わらず、5番・渡邉 聡之介(2年)がライト前ポテンヒットを放ち一死一、二塁とすると、続く名波 蒼真(2年)がライト前タイムリーを放つ。7番・轟 弘成(1年)もセーフティースクイズを決めるなど、浦和学院打線がこの回5連打を集中するなど一挙5点を奪うビックイニングを作り試合の大勢は決した。

 浦和学院は7回表にも、春日部共栄の2番手・永井を攻め一死から4番・三井がライト前ヒットを放ち出塁すると、続く渡邉もセンター前ヒットを放ち一死一、三塁とする。ここで6番・名波がライト前タイムリーを放つと、続く轟もセンター前タイムリーを放ちこの回2点目、代打・松本 三佳(1年)にもセンター前2点タイムリーが飛び出し9点差をつける。

 春日部共栄はここで永井から3番手・吉村 岳(1年)へスイッチするが、吉村は代わり端、代打・濱野 裕真(2年)、1番・喜屋武に連続四球を与えると、2番・篠塚に三塁線を破る2点タイムリー二塁打を浴びる。11点差がつき勝負あった。

 投げては浦和学院・伊藤が6回3安打無失点の好投を披露すると、最終回は鈴木 夕稀(1年)が締める。

 結局、浦和学院春日部共栄を7回コールド11対0で下し初戦を突破した。

 浦和学院はとにかくエース伊藤の存在が大きい。

「調子はあまり良くなかったんですが、試合中コースだったり変化球の使い方をキャッチャーと話し合って、自分の持ち味であるボールを投げ切れて連打を許さなかったのは良かった。全国制覇したいと思って浦和学院に決めたので。普段はおとなしいと言われるがマウンドに上がったら変わる。宮城さんを超えられるように」(伊藤)と、この日も相手に6回3安打7奪三振無失点と春日部共栄打線をきっちりと封じてみせた。

 打線も「紅白戦当初は3年生の投手が打てなかったが、当てに行くのではなくきっちりと振り切ることを意識している。夏の悔しさを活かせるように、これからも凡事徹底で」(小林)と、主将も新チーム結成当初からの成長を感じているようだ。

「みんなで勝っていこうという姿勢が現れた。大会直前に3年生と紅白戦を行い、得点圏での課題について取り組んできた。伊藤は物怖じせず安定感がある投手なのでよく抑えてくれた。連戦なのでうち有利だぞ」と、森大現監督がコーチ時代に自らが勧誘し獲得した伊藤や三井等が新チームの投打の柱に成長しつつあるだけに森監督の新チームへの期待は大きい。投手陣の枚数はいるだけに打線が爆発するようになるといよいよ手が付けられなくなる。このまま優勝まで突っ走ることができるか?

 一方の春日部共栄だが、よもやの大敗に本多監督も「5点は覚悟していたんだが、取られ過ぎたんで打つ方も展開的に打てなくなってしまった。落ちるボールにやられた。希望は持てるチームなんだが全体的に投手力が上がってこないと」(本多監督)とチーム力の差と結果との差異に悔しさを滲ませていた。キャッチャー、セカンド、投手陣、打線と選手たちはこの日の悔しさを活かして春以降いかに成長した姿を見せることができるかが鍵だ。ポテンシャルは悪くないだけにいかに本気になれるか。いずれにせよ厳しい練習が待っているであろう。

(取材=南 英博

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