近江の大黒柱が限界まで挑んだ甲子園、二刀流貫いた山田の夏が終わる

山田陽翔(近江)
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<第104回全国高校野球選手権大会:下関国際8-2近江>◇20日◇準決勝◇甲子園
9回裏2死走者なし。最後の力を振り絞って初球をフルスイングした。打球は左翼方向へ。快音は響いたが、失速した打球が左翼手のグラブに収まった。近江(滋賀)・山田 陽翔投手(3年)が一塁を回ったところで下を向いた。高校野球生活の終わり。夏の甲子園準決勝で下関国際(山口)の前に敗れ、夏の主役が舞台を降りた。
山田には、もう外野の頭を越す力がなかったのかもしれない。下関国際の粘りの打線の前に、先発7回途中7安打5失点(4自責)。6回まで連打は許さなかったが、ワンチャンスをものにされた。自慢の低めへのスライダー、ツーシームに手を出してこない打線に苦しみ、132球で力尽きた。
今夏、甲子園で644球を投げた。大好きな甲子園で思う存分野球をして11勝を挙げ、この日の7奪三振で通算115奪三振となった。打席では4番打者として満塁弾を含め、チームを何度も救った。力を出し切って3季連続ベスト4を手にした近江の大黒柱は、最後の打者となってそのストーリーの幕を引いた。
下関国際は山田の球を見極めた。3回の1点、6回の2点。いずれも四球がからんだ。粘りの姿勢で、じわりじわりと山田を追い詰めた。大阪桐蔭(大阪)を破った自信はやはり大きかったのか。決勝進出をかけた舞台で、のびのびと自分たちの力を出し切った。チーム初の全国制覇へ。今センバツの優勝校と準優勝校を破ったチームに、もう何も怖いものはない。
(記事=編集部)