試合巧者・浦和実業が早大本庄を接戦を制しベスト8進出!



佐々木潤也(浦和実)

<春季高校野球埼玉大会:浦和実8-6早大本庄>◇29日◇3回戦◇熊谷公園

 この日は曇天、午後からは雨が降る予報となっている。埼玉県大会はベスト16の激突となる。熊谷公園球場の第一試合は浦和実早大本庄との一戦である。この両校は昨秋もベスト16で対戦し8対4で浦和実が勝利しているが今回はどうか。

 スタメンは、早大本庄が昨秋対戦時と全く同じ、一方の浦和実は昨秋対戦時との変更点として3番に杉山絢信(3年)が入り、秋8番の室井慎之助(3年)が5番に上がる。秋3番の青山澪羅(3年)が6番に入り、8番には清水隼(3年)が入る。

 先発は前回の対戦時同様に浦和実が右サイドの佐々木潤也(3年)、早大本庄が豊間奨(3年)と両エースが登板し試合が始まる。

 前回は序盤で浦和実が一気に主導権を握る展開であったが、今回先制したのは早大本庄であった。

 初回、浦和実・佐々木の立ち上がりを攻め、先頭の柴田勇翔(3年)が内野安打で出塁すると、続く飯田航輝(3年)がきっちりと送り1死二塁とする。ここから佐々木が突如制球を乱す。それに乗じたクリーンアップ3番・片岡孝介(3年)、4番・中村吏韻(3年)、5番・伊藤 光輝(3年)が3連続四死球を選び、押し出しで1点を先制すると、続く松崎勇知(3年)もきっちりと犠飛を放ち幸先良く2点を先制する。

 対する浦和実も2回表、2死から6番・青山が四球を選び出塁すると、すぐさま二盗を決め2死二塁とする。続く松山晴秋(3年)も四球を選び2死一、二塁とすると、8番・清水が左前適時打を放ちすぐに1点を返す。

 初回こそ暴れた浦和実・佐々木であったが2回以降立ち直り三振の山を築く。

 すると、4回表、浦和実はこの回先頭の橋本泰知(3年)が左前安打を放ち出塁すると、続く室井がきっちりと送り1死二塁とする。さらに6番・青山も四球を選び1死一、二塁とすると、2死後8番・清水も四球を選び2死満塁とする。ここで、続く佐々木が左前へ2点適時打を放ち3対2と逆転に成功する。

 これで勢いに乗った浦和実は、一走、打者走者それぞれが送球間にそれぞれ進塁し、2死二、三塁とすると、1番・神尾翔斗(3年)が右前へ2点適時打を放つ。神尾はすぐさま二盗を決め2死二塁とすると、続く八巻が左前適時打を放つなど、浦和実が結局この回一挙5点を奪うビックイニングとし6対2とする。

 だが対する早大本庄も黙ってはいない。

 その裏、この回先頭の伊藤が二塁ゴロエラーで出塁すると、1死後7番・佐藤淳平(3年)が一塁線を破り1死一、二塁とチャンスを広げる。さらに捕手のファンブルの間にそれぞれ進塁し1死二、三塁とすると2死後、代打には1年生が向かう。吉田壮は期待に応え左中間を破る2点適時二塁打を放ちすぐに2点差とする。

 投げては、早大本庄の2番手として4回途中からマウンドに上がった左腕・町田倖大(3年)が浦和実打線の勢いを止める。

 浦和実・佐々木も、5回までに4者連続を含む10奪三振を奪う好投を見せる。ただ、それと引き換えに5回途中に足を攣るアクシデントがあったが、それでも5、6回と何とか無失点で切り抜けていた。

 だが、7回裏、ついに早大本庄打線が浦和実・佐々木に襲い掛かる。先頭の柴田が死球で出塁すると、続く飯田がきっちりと送り1死二塁とする。ここで3番・片岡が左中間へ適時二塁打を放ちまず1点、続く中村が四球を選び1死一、二塁とすると、さらに二走・片岡が三盗を決め1死一、三塁とチャンスを広げる。ここで、5番・伊藤が左翼線へ適時二塁打を放ちついに6対6の同点とし浦和実・佐々木をマウンドから引きずり下ろす。代わった2番手・清田光(2年)は「練習試合も含めてあまり途中から行ったことはなかった」というが、昨秋も主戦で投げた投手らしく、1死二、三塁のピンチを無失点で切り抜ける。

 すると8回表、浦和実は1死から7番・松山が右前安打を放つと右翼手がジャックルする間に一気に二塁へと進む。さらに続く清水も右前安打を放ち1死一、三塁とチャンスを広げると、9番・清田も死球で出塁し1死満塁とする。2死後、2番・八巻が左前へ2点適時打を放ち勝ち越しに成功する。

 結局これが決勝点となり浦和実が8対6で早大本庄に勝利しベスト8へ進出した。

 早大本庄は昨秋のリベンジとはならなかった。「継投タイミングは私のミス。少し引っ張りすぎてしまった」と、福永監督は自らを責めたが「秋より数段強くなっていた」と、相手の辻川監督も認めていたように、選手達が成長の跡を見せており、実際長打の数では上回っていた。7回あわやというところまで追い込んだが、あと1本が出なかった。あとはこの日奪われた14三振の部分と守備での細かいミスやここというところで低い打球を打つことが徹底できるかが夏への課題であろう。

 一方の浦和実は、9安打で8得点、4盗塁を巧みに絡め奪った得点は全て2死からと、さすがの試合巧者ぶりを発揮した。ただ辻川監督は「佐々木は今日あまり良くなくて、引っ張りすぎた。ただそもそも先発タイプじゃないなと。これまであまり調子良くなかったんだけど、これで清田も万全ということで」と試合後反省しきりであったが、結果オーライ。清田が救った形だ。ただ、打線はまだ本調子ではないそうで、投手陣は既に清田の目処が立っているだけに、ベスト8以降の打線の奮起に期待したい。

(取材=南 英博

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