2020年08月15日 浦和市営球場

浦和実vs大宮東

2020年夏季埼玉県高等学校野球大会 4回戦
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浦和学院が大宮北を一蹴し地区ベスト4進出

 浦和市営球場の第2試合はプロ注目の豆田 泰志(3年)擁する試合巧者・浦和実と、前の試合で昨秋関東ベスト8の西武台を倒すなど強打が売りの昨夏ベスト4大宮東の好カードである。ここのブロックは今大会全体を見渡しても最激戦区であるがその中で生き残るのは一つだけだ。勝ち残るのはどの高校か。試合は前評判通りの1点を争う好ゲームとなった。

 浦和実は主力も例外なく学業に専念するために抜けた3年生もおり昨秋から大幅にメンバーが変わっている。キャッチャーが濱野紘汰(3年)から昨秋ファーストを守っていた古川武蔵(3年)に、センターが川上尊(3年)から昨秋サードを守っていた倉持光(3年)に代わっている。他にもこの日スタメンの1番・山田虎太郎(3年)や4番・熊谷宇哲(2年)、5番・佐藤晴(2年)、9番・今井健太郎(2年)などは昨秋の西武台戦ではスタメンで出場していないがこのあたりは一冬を越えて伸びてきた可能性が高い。

 一方の大宮東は全員が3年生で今大会に挑んでいる。だが、エース・河内瞬や主砲・小河原凱、主将・佐藤亮太、増田晟也など昨夏ベスト4の経験者たちが多く残っておりある種必然の結果であろう。前の西武台戦から不動のオーダーでこの試合に臨む。

 先発は当然ながら浦和実・豆田、大宮東・河内と両エースが先発し試合が始まる。
 試合は初回から動く。

 まず大宮東は豆田対策として明らかに高めの伸びのある直球を捨てている印象を受けた。とにかくそれが徹底されている。
 一方の浦和実・豆田の課題は立ち上がりだ。立ち上がりが不安な豆田に対し、豆田対策を徹底した大宮東打線が初回から襲い掛かる。

 1回裏、先頭の佐藤が右中間へ二塁打を放ち出塁すると、続く中島健斗は全くバントをする素振りを見せず四球を選び無死一、二塁とする。ここで3番・増田がライト越えタイムリー二塁打を放ちあっという間に1点を先制する。さらに無死二、三塁から続く小河原が四球を選び無死満塁としチャンスを広げると、5番・豊泉翼が押し出しの四球を選び2点目をもぎ取る。さらに無死満塁と追加点を奪う絶好のチャンスであったが、ここは浦和実・豆田の踏ん張りもあり後続は三者三振を喫し2点でこの回の攻撃を終了する。

 初回制球の定まらなかった豆田は2回以降走者がいない場面でも投球フォームをセットポジションへ修正した。するとボールが徐々に落ち着き始め無失点に抑える。

 一方浦和実打線の反撃は3回表、一死から9番・今井がレフト線へ二塁打を放ち出塁すると、続く山田がセーフティ気味の犠打を決め二死三塁とする。2番・松村裕大(3年)の所で大宮東・河内がワイルドピッチを放り浦和実業が1点を返す。

 その後両投手ピンチこそ招くが要所を締め凌ぎ合いの様相を呈す。次の1点が試合の行方を左右する。
 迎えた6回表次の1点は浦和実に入る。

 先頭の山田がレフト線への二塁打を放ち出塁すると、続く松村は執拗にセーフティバントでチャンスを拡大しようと試みるが追い込まれてしまう。それでもファーストへゴロを放ち最低限の仕事を果たしたかと思われたが、打球はベースに当たりイレギュラーし思わぬ形でタイムリー二塁打が生まれ浦和実業がついに2対2の同点とする。
 これで流れを掴んだ浦和実はなお無死二塁から3番・吉田浩隆(3年)も松村と同様に盛んにセーフティバントを狙いながら結果これが送りバントとなり一死三塁とすると、続く熊谷がセンター前へタイムリーを放つなどこの回2点を奪った浦和実が3対2と一気に逆転に成功する。

 2回以降立ち直った豆田にとってみれば1点のリードさえあればそれで十分であった。2回以降毎回走者こそ許すが、中盤以降は縦の変化球も決まり始め要所を締め強打の大宮東打線を無得点に抑える。終わってみれば、大宮東相手に10奪三振を奪う粘投を見せた豆田が完投勝利を飾った浦和実が3対2で大宮東を制し次へ駒を進めた。

 まず大宮東だが、豆田の立ち上がりにスポットを当て、待ち球を絞り捨てる球を捨てることを徹底し2点を奪った初回の攻撃は見事であった。その後の無死満塁で1点でも取れていれば、エース河内も安定した投球を見せていただけに試合の大勢は決していたであろう。それだけに悔やまれる部分もあるが、この日は守備も安定しており3年生達はある種出し切れたのではなかろうか。この試合で2年前の夏から出場していた小河原、石塚晴樹、佐藤などが最終学年を迎えるこの夏は勝負の夏であった。だが、コロナ禍でイレギュラーな形になり不本意であろうが、最後まで戦う姿勢は見せていた。その姿勢は後輩達に受け継がれるのではなかろうか。

 一方の浦和実は、この日苦戦した。豆田は前の試合からボールが高く、昨年の春など絶好調時から比べるとまだまだ万全とは言えない。立ち上がりの悪さなど課題は残ったままだ。
 それでも、2回から走者がいなくてもセットで投球するなど自分で工夫し修正する能力はさすがだ。終わってみれば強打の大宮東打線を相手に10奪三振2失点完投と帳尻を合わせた。

 打線も主力が抜け心配されたが、ロースコアでの接戦の強さ試合巧者ぶりは健在であり、負けにくいチームである。だが、このブロックは今大会の最激戦区である。

 次の相手はプロ注目の内田、田村の両輪を擁する埼玉栄だ。昨夏の新人戦では豆田を温存しながら内田、田村を打ち込み大勝しているが、内田も一冬を越え球種が増えている。簡単にはいかないであろう。 しかもこの勝負に勝っても地区の決勝戦は対豆田のリベンジに燃える浦和学院戦が濃厚だ。とはいえ、今大会は一週間で500球という球数制限もあるだけに豆田、豆田ともいかない。浦和実業ベンチは難しい舵取りが求められるであろう。


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