2019年04月24日 埼玉県営大宮公園野球場

叡明vs浦和学院

2019年春季大会 埼玉県春季高等学校野球大会 2回戦
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春6連覇中の浦和学院敗れる!夏は34年ぶりノーシード。



勝利した叡明

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 浦和学院が春季大会で敗れた。そしてノーシードで夏を迎える。これは埼玉の高校野球史で考えると事件である。森監督も記憶にないそうだが、それもそのはず、森監督が監督に就任したのは1991年の事、浦和学院のノーシードというと1985年まで遡る(1986年には谷口英規投手、鈴木 健選手などを擁し、夏の甲子園で準決勝進出するのだが)。それだけ浦和学院はいつの時代も強かった。

 ただしその予感はあった。前の試合も相性の悪い白岡が相手とはいえ、あわやという試合展開であった。打線も昨秋からの積み上げはあまり感じず、旧チームと比べ中前 祐也(3年)、畑 敦巳(3年)に対する負担が多く、投手陣も渡邉 勇太朗(現西武)、佐野 涼弥のような明確な柱が見当たらない。それは前の試合でも既に述べたことだ。

 だからといって決して今年の代が過去最弱というわけではない。今年も選りすぐりの野球エリート達が全国から集められている。

 さて、肝心の試合に話を戻そう。先発は叡明が右サイドの滝口仁理(2年)、一方の浦和学院はエースナンバーで1番を打つ左腕・下薗 咲也(3年)が登板し試合が始まる。1番ピッチャーというと佐藤 拓也選手(JR東日本)を思い出すが、今後そういう存在になれるかは彼の今後の頑張りにかかっているであろう。

 序盤は総じて浦和学院ペースであった。 まず初回、立ち上がり不安定な叡明・滝口に対し、先頭の下薗が死球で出塁すると、続く後藤 陸人(3年)がきっちりと送り一死二塁とする。3番・中前も四球を選び一死一二塁とチャンスを広げるが、4番・畑はセカンドゴロ併殺に倒れ無得点で終える。

 浦和学院は2回表もこの回先頭の徳弘渉(3年)がセンター前ヒットで出塁すると、続く里飛鳥(2年)がきっちりと送り一死二塁とする。7番・上田 翔太(3年)も死球で一死一、二塁とするが、続く小櫻耕介(2年)がセカンドゴロ併殺に倒れこの回も無得点に終わる。

 対する叡明も2回裏、この回先頭の松井がライト前ヒットを放ち出塁すると、二死後フルカウントから8番・那須がレフト前ヒットを放ち、一走・松井は三進し二死一、三塁とチャンスを迎える。だが、後続が倒れ先制機を逃す。

 浦和学院は3回表にもこの回先頭の高原朋也(3年)がレフト前ヒットを放ち出塁すると、続く下薗の所で浦和学院ベンチはエンドランを仕掛ける。これはピッチャーゴロとなるが一走・高原はその間に二進し一死二塁とする。ここで頼みの3番・中前がセンターフライに倒れると、さらにセンターが捕球後ボールを落としたのを見て二走・高原が三塁を狙うがアウトとなりどうしても得点が奪えない。

 一方の叡明も4回裏、松井誠英(2年)、(山かんむりに今)地晃生(3年)の連打で一死一、二塁とするが、後続が倒れ得点を奪えず、両者凌ぎ合いの展開となる。

 均衡が破れたのは5回裏であった。 この回先頭の滝口が四球で出塁すると、一死後2番・大月良(3年)がレフトスタンドへ2ラン本塁打を放つ。叡明にとって待望の先制点が入り叡明が2点リードし試合の前半が終了する。

 このままでは終われない浦和学院も整備明けの6回表、すぐに反撃を開始する。

 この回先頭の中前がライト前ヒットを放ち出塁すると、続く畑の所で浦和学院ベンチは初球エンドランを仕掛ける。打球はセカンドへの強い打球となり、セカンドが弾く間に一走・中前は一気に三塁を陥れ無死一、三塁と絶好の同点機を迎える。だが、後が続かない。結局5番・徳弘のファーストゴロの間に1点のみでこの回の攻撃を終える。



力投した滝口仁理

 とはいえ、そこは勝負強い浦和学院だ。1点差であれば最終的に逆転するとこの球場の多くの方は思っていたはずだ。実際6連覇中何度もそういう悪い内容の試合はあった。それでも最終的に逆転し、結局終わってみれば決勝で花咲徳栄を破る、というのがここ数年の春季大会のお約束のようなものであった。それだけにこれまでの歴史やこれまでそんな逆転する試合を何度も見てきた方ほどそう思っていたに違いない。だが、この日の浦和学院打線は違った。特に7人並ぶ左打者がどうしても滝口の動くボール特に外への沈む球を引っ掛けるケースが多く最後まで修正することができない。最終回に代打攻勢をかけるが、実らず三者凡退で万事休す。

 結局試合はそのまま2対1で叡明が勝利し、実にあっさりと浦和学院の春が終わってしまった。

 まずは叡明だが、この日はとにかく滝口に尽きるであろう。強打の浦和学院打線に最後まで的を絞らせず5安打に抑えた投球は特質に値する。何より2年生ながら浦和学院を前にしても臆することないそのメンタルが素晴らしい。今年は三上 ケビンや室賀などがいた代に比べるとポテンシャルの部分ではやや小粒な印象を受けるが、その分まとまりはある。これで最低限夏のシードは取った獲得しただけに、今後は浦和学院を破った勢いでどこまで勝ち進むのか楽しみである。

 一方の浦和学院だが、春の7連覇をこの段階で逃し、とにかく夏をノーシードで迎える事となったこの負けは痛恨だ。とにかく打線の強化が急務だ。相変わらず変則投手に弱いが、まずはここの部分の対策からとなるであろう。いずれにせよ監督も含めノーシードで夏を迎えたことがないので、夏までにどう仕上げていくのか手探りの状態であろう。当然打順や投手陣の編成を含め、一部の選手以外、新1年生を含めての総入れ替えとなることも考えられる。だがそれはマイナス面ばかりではない。むしろ夏まで研究されにくく、それが利点となる可能性すらある。勝負所で隠し玉をぶつけるなどの戦略も取りやすくなる。元々持っているポテンシャルの高い選手が多い高校であるだけに、ノーシード爆弾としてこれほど不気味な存在はない。夏、浦和学院がどの山に入るのか、どの高校も戦々恐々としているはずだ。チャレンジャーとなった彼らの逆襲に期待したい。

(記事:南 英博

 
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浦和学院 【高校別データ】
叡明 【高校別データ】
2019年度 春季高等学校野球埼玉県大会 【大会別データ】

応援メッセージ (6)

浦和学院◇浦学エル・タイガー 2019.05.31
浦和学院、強いんだから絶対優勝しろよ。とにかく野球はハートで試合をすることだ。
浦和学院お疲れ様です。浦和学院応援団長後援会日本全国代表 2019.04.25
2回戦で惜しくも敗戦してしまいましたが浦和学院の硬式野球部の発展繁栄を祝してお祈り申し上げます。
夏の地方大会の課題として森監督と主将と投手と捕手の配球のコントロールの基本、基礎の練習を確認して打撃は1打席1打席大事に大切にしていかにしてパンチ力長打力、良い投手と投手が力投したときにいかにして打撃向上が求められますので埼玉の夏の地方大会期待して応援しております。
叡明叡明ふぁいーおっちー 2019.04.23
叡明頑張って
叡明打撃好調叡明打線❗所沢市野球部OB 2019.04.23
打撃に関しては、見劣りはしないであろう。投手が如何に踏ん張るかが鍵である。金星目指し全身全霊で戦うのみ。いざ出陣決戦の地大宮へ❗
叡明悔いを残さずがんばれ!つっくん 2019.04.22
睿明のみなさん、3年生は最後の夏 悔いを残さず1試合1試合全力を尽くしてください!でもここで負けてもまだチャンスはあります!本当に悔いを残さず頑張ってください! 2年生は3年生と1試合でも長く試合をそして練習をやって下さい!
叡明臆する事なかれOB 2019.04.21
今の叡明なら十二分に勝機はあると私は思います。選手一人一人が責任をもってチーム一丸になって戦って下さい。試合中、苦しい場面でもいつも通り冷静かつ落ち着いてプレーして下さい。応援に行く予定なので期待しています。

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