試合レポート

浦和学院vs大宮東

2017.09.25

優勝候補・浦和学院がコールドで初戦突破

浦和学院vs大宮東 | 高校野球ドットコム
佐野涼弥(浦和学院)

 優勝候補筆頭のAシード・浦和学院対公立の雄、大宮東との一戦は、意外な展開となった。

 先発は浦和学院がエース佐野涼弥(2年)、一方の大宮東は背番号11の右腕島村で試合が始まる。

 先制したのは浦和学院であった。初回大宮東・島村の立ち上がりを攻めたて、先頭の中前(1年)がレフト線へ二塁打を放ち出塁すると、続く矢野壱晟(2年)がきっちりと送り一死三塁とする。ここで3番・蛭間拓哉(2年)がセンターへ犠飛を放ちあっさりと1点を先制する。さらに、二死から上野暖人(2年)が死球で出塁すると、続く佐野がセンター前ヒットを放ち二死一、三塁と追加点のチャンスを迎えるが、6番・冨岡のセンター前へ向けそうなライナーをセカンド中澤に好捕され1点で攻撃を終える。

 これで落ち着きを取り戻した島村は左打者に対しチェンジアップを有効に使い引っ掛けさせるなど2回以降立ち直り、1対0のまま4回を終える。

 前の2試合の事を考えても嫌な流れであったが、この日の浦和学院・佐野は盤石の出来であった。5回まで1安打ピッチング、8三振を奪うなど大宮東打線を圧倒する。

 すると、5回裏浦和学院打線が大宮東投手陣に襲い掛かる。この回先頭の小町がファーストゴロエラーで出塁すると、続く高原の所で浦和学院ベンチはエンドランを敢行する。これが見事に決まりレフト線へのタイムリー二塁打でまず1点、続く後藤の犠打は内野安打となり無死一、三塁、さらに1番・中前も四球を選び無死満塁とし、島村をマウンドから引きずり降ろす。代わった左腕・大川に対しても攻撃の手を休めず、続く矢野が犠飛を放ち1点を追加すると、3番・蛭間もライト前タイムリーを放ち4対0とする。


 蛭間がすぐに二盗を決め一死二、三塁とすると、続く上野もレフト前へ2点タイムリーを放つ。さらに続く佐野のピッチャーゴロで飛び出した二走・上野に対し三塁へ送球するがサードが取れずあっという間に7点差をつけ大川をマウンドから引きずり降ろす。3番手・エースの相馬に対しても、二死一、三塁から8番・高原が右中間へ2点タイムリー二塁打を放ち9対0とすると、6回裏には先頭の中前の三塁打を皮切りに無死満塁とし、最後は4番・上野がセンター前タイムリーを放ち10点差をつけ試合を終えた。

 大宮東は、島村が中盤まで良く投げたが三巡目を迎える所で捕まり、ピンチで後を託された他の投手は劣勢になると成す術なく強打の浦和学院打線につるべ打ちを食らった。打線も旧チームと比べるとやや小粒であり、佐野、渡邉の投手リレーの前に沈黙した。このあたりは旧チームから大きくメンバーが代わったばかりであり、まだまだ発展途上であろう。だが、大宮東と言えば本来は打のチームであるだけに、一冬越えて強打の大宮東打線を復活させるべく、徹底的に体を追い込んで欲しい所だ。

 一方の浦和学院は、2回以降やや島村に嵌りかけたが、足を絡め追加点を奪うと、そこから堰を切ったように大宮東投手陣に襲い掛かりあっという間に試合を終えた。投手陣も佐野は盤石、怪我で出遅れていた渡邉勇太朗(2年)も復帰しこの日1イニングを投げまずまずの投球を見せた。この2人にエースナンバーの近野佑樹(2年)を加えた投手陣は、間違いなく埼玉で1番だ。佐野、渡邉、蛭間、矢野など投打の主力を多く残す浦和学院が現状で優勝候補筆頭であることに違いない。この日の3試合を見て改めて知らしめた形となった。

(文・写真=南 英博

浦和学院vs大宮東 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年秋季大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.18

【神奈川】保土ヶ谷球場では慶應義塾、横浜が登場!東海大相模は桐蔭学園と対戦!<春季県大会4回戦組み合わせ>

2024.04.19

【島根】石見智翠館、三刀屋がコールド発進<春季県大会>

2024.04.19

【山口】下関国際、高川学園、宇部鴻城がコールド発進<春季大会>

2024.04.19

【春季千葉大会展望】近年の千葉をリードする専大松戸、木更津総合が同ブロックに! 注目ブロック、キーマンを徹底紹介

2024.04.19

【福岡】福岡大大濠-福岡、西日本短大附-祐誠、東筑-折尾愛真など好カード<春季地区大会>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード