笠原 航平選手 (日体荏原)
寸評
日体荏原の大型右腕。185センチ85キロというとスケールの大きい投球を期待したくなるが、実際は変化球を駆使する技巧派の投球スタイルで勝負する。 (投球内容) 右オーバーから投じる直球は常時130キロ~135キロほどでそれほど球威は感じない。ストレートより目に付いたのは変化球のキレ味の鋭さ。スライダー、チェンジアップを投げ分け投球を組み立てている。特にスライダーは打者の手元で小さく鋭く曲がるので、実戦的な球種だ。 ストレートで強引に押そうとせず、ストレート、変化球を使い分けながら投球を組み立てる。上手く纏めようとしているが、まだ抜ける球が多い。 クイックは1.2秒前後と標準のクイック。ベースカバーも手抜きせずにやっているが、まだ遅さを感じる。細かい技術は (投球フォーム) ノーワインドアップから始動する。左足を真っすぐ上げていき、右足の膝をまっすぐ伸ばしてバランス良く立つ。左足をショート方向へ伸ばしていきながら、重心を下げていくが、深く沈みこまず、着地するので、縦系統の変化球では横系統の変化球が投げやすい形になるだろう。 左腕のグラブが開くのが早く、重心移動が一塁側へ流れやすい形となっている。テークバックはコンパクトに取っていき、肘を上げてトップを作る。気になるのは腰が横回転気味なのに、腕の振りはオーバーハンド。身体の回転と腕の振りが連動しておらず、全身の力を使って投げることが出来ていない。恵まれた体格がありながらそれを活かし切れていないのは勿体無い。 一番の課題は腰の回転と腕の振りが連動していないことだろう。縦の回転ができないのは股関節が硬いことが十分に考えられ、そのため下を使って投げることができていない。フォームそのものよりも、まず投手として必要な柔軟性等を身に付けることが必要ではないだろうか。実戦的な技術を意識するよりもまずそこからだろう。
更新日時:2012.09.23
将来の可能性
大型投手ながら、変化球をうまく使い分ける投手だが、サイズほどの威圧感は感じず、投球も纏まりすぎてしまっているのが残念。ピッチングよりも、彼は柔軟性、パワー、スピードと体力的なモノを見直してからしっかりと土台固めをしていった方がある時期にぐっと伸びていく投手になると予想する。ひと冬超えて、その兆しを見せることが出来るか注目していきたい。
更新日時:2012.09.23
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