京都翔英 榎本和輝投手(4番ファースト)

ひと振りが試合を決めた

 「あのホームランは、本当にほれぼれしました」。
8回の猛攻の中で飛び出した4月上旬の練習試合以来の主砲・榎本和輝(2年)の一打を、京都翔英の太田弘昭監督は目を輝かせながら振り返った。

序盤から走者を出しながら、なかなか追加点を奪えず、ヤキモキする場面も多かったこの試合。今日、今大会初めて先発のマウンドを踏んだ八木剣奨(2年)も、毎回のように走者を出しながら粘り強いピッチングを見せた。

これまで、打って打ってしっかりゲームを作ってきた京都翔英にしてみれば、自らのリズムをなかなか掴めていなかった。それはやはり、同じ府内のライバルであり「今まで京都の高校野球をリードしてきたチーム」(太田監督)でもある龍谷大平安の粘りにも押されていたからだろう。

7回を終わって8安打を積み重ねながら、得点は2。だが、京都翔英サイドには焦りはなかった。

「ミスもあったし、ええ当たりが正面を突いているけど、お前らようやってるぞ」
指揮官はベンチでそう言ってナインを鼓舞してきた。

その“我慢”が徐々に結実していったのが8回だった。この回からマウンドに立った龍谷大平安の美浪真(2年)の制球が定まらず、連続四球で無死・一、二塁。犠打を挟んでさらに2死球。そのあと、主砲の満塁弾が生まれたのだ。