藤浪晋太郎はバランスの取れた甲子園史上最高のピッチャー

  春、夏続けて同じチームで決勝を争う史上初の大会になった。終わってみれば順当な顔合わせだが、ここへ至るまでの道のりは対照的である。

 2回戦  大阪桐蔭8-2木更津総合  光星学院4-0遊学館
 3回戦  大阪桐蔭6-2済々黌    光星学院9-4神村学園
 準々決勝 大阪桐蔭8-1天理     光星学院3―0桐光学園
 準決勝  大阪桐蔭4-0明徳義塾   光星学院9―3東海大甲府

 総得点(大阪桐蔭26―25光星学院)や総失点(大阪桐蔭5-7光星学院)は同じようでも、光星学院は甲子園を沸かせたドクターK、松井 裕樹(桐光学園)と死闘を繰り広げた準々決勝の印象が強烈だ。それに対して大阪桐蔭は危なげない戦い方で勝ち上がり、春の花巻東浦和学院健大高崎戦のような印象に残る試合が少なかった。

 ストップウォッチを操り、客観的なデータをもとに試合を見るクセのある私だが、今夏の光星学院に対しては東北初の優勝や桐光学園戦の死闘が頭をよぎり、客観性よりロマンで見ようとし、密かに応援した。そして、そんな甘い私の感傷を絶ち切るように大阪桐蔭のエース、藤浪 晋太郎(右投右打)は完璧なピッチングを見せ、光星学院の野望を打ち砕いた。

 甲子園大会史上最高の投手は誰か、という企画になると必ず名前が挙がるのが江川卓(作新学院)、松坂大輔(横浜)、田中将大(駒大苫小牧)などだが、私は今大会の藤浪を見て、彼こそナンバーワンだと思った。