2012年08月19日 阪神甲子園球場

天理vs浦和学院

第94回全国高校野球選手権大会 3回戦
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天理の強さを支えるエンドラン

監督がエンドランのサインを出すとき――。
そこには、いくつかの想いや願望が込められている。

走者一塁からのエンドランの場合、最高のかたちは安打で一、三塁以上をつくること。だが、これは理想であって、現実的にはなかなか難しい。したがって、監督が望むことは、最低限、走者を二塁に進めてほしいということだ。二塁には進めたいが、バントをさせるにはもったいない。そんなときにエンドランのサインを出す。
これ以外でエンドランのサインを使う場合に多いのは、打者にバットを振らせたいときだ。積極性に欠ける打者や不振の打者などに、エンドランをかけることによってスイングさせる。また、エンドランで相手の野手を動かしたい場合に用いる場合もある。

 浦和学院戦の初回。天理・橋本武徳監督は無死一塁、カウント1ボールから二番・東原 匡志にエンドランのサインを送った。投球は外角のスライダーだったが、東原は引っ張ってサードへのゴロ。一塁走者の早田宏規を二塁に進塁させた。
東原は初球、送りバントの構えをして見送っている。2球目にエンドランのサインに切り替わった。足のある一、二番で最低でも一死二塁、あわよくば……を期待したエンドランだ。東原は言う。「ヒットで一、三塁にするのがベストですけど、最低限、ランナーを進めることはできました。いつもならバントですけど、自分の(打撃の)調子が上がってきてるからエンドランだったんだと思います。エンドランのときに心がけるのは、絶対にゴロを打つこと。上げたら意味がないんで。それと、センターライン(セカンドとショートの間)には打たないこと。ゲッツーになりますから。(一、三塁の)どっちかに打ち分けようと思ってました」
この後にふたつの四死球と暴投が出て、天理は1点を先制する。

2回には二死一塁、打者が一番の早田という場面でカウント2―2からエンドランをしかけた。早田の打球は右中間を破る三塁打となり、1点を追加。続く二番の東原にも二塁打が出てもう1点を加えた。初回の無死一塁からとは違い、二死一塁からのエンドラン。ここでは、走者を進めることは求められていない。早田は言う。
「ツーアウトなので、思い切っていきました。エンドランを出してくださったおかげで、思い切っていけました」
二死のため、打者は何も考えず打つだけ。思い切って振った結果が長打を生み出し、理想以上の結果をもたらした。

そして、7回。今度は一死一塁から、七番の木村秀のカウント3―2でランエンドヒットをかけた。木村はショートにゴロを打って、一塁走者を二塁に進めた。この場面は得点につながらなかったが、走者を走らせて打たせるサインのときに、3人の打者が確実にゴロを打っている。

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浦和学院 【高校別データ】
天理 【高校別データ】
第94回全国高校野球選手権大会 【大会別データ】

応援メッセージ (1)

浦和学院お疲れ様でした。ピース 2012.08.20
野球少年の息子が二人います。
甲子園は三年前から見るようになり今では録画してまで見てます。
今年は浦和学院の予選を見ていて応援するようになりました。東京に住んでますが甲子園まで足を運び浦和対聖光学院を見てきて楽しませてもらいました。
甲子園ではやってくれる!と思っていましたが負けてしまい残念です。
佐藤くんのバッティングかっこよかったです。
選手のみなさん、お疲れ様でした!

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