甲子園で勝つためには

 甲子園は、広い。

それはわかっていた。
だが、身体が反応しない。どうしても、「遠い」と感じ、手が出なかった。

初戦となった2回戦の藤代戦。徳島商打線は、打順がひとまわりする間に2つの見逃し三振を喫した。
いずれも、見逃し三振。
徳島大会では5試合47イニングで12個しかなかった三振が、3イニングで2つ。相手投手が驚くような球を投げているわけではないのに、なぜ簡単に三振してしまうのか。6番を打つ咲田瑠星は言う。
「徳島はストライクゾーンがかなり狭いんです。(見逃し三振をした球も)ボールだと思って、手が出ませんでした」

高校野球はストライクゾーンが広い。技術が未熟な分、広めに取らないと試合が進まないからだ。
甲子園は1試合を2時間で終わらせる前提で試合開始時間も設定されているため、特に広い。
右打者なら、外角は左打者のバッターボックスのホームベース側のラインの上あたりまでストライクといわれることは覚悟しなければならない。それが甲子園のストライクゾーンだからだ。