2011年03月30日 阪神甲子園球場 

東海大相模vs大垣日大

2011年春の大会 第83回選抜高校野球大会 2回戦
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勝負の瞬間 松倉雄太

東海大相模の野球を徹底的に研究しよう

 この試合でも、「すごい」「奥が深い」と思わせるような場面が何度もあった。
1回戦(関西戦)同様、相手に考えさせる野球で完勝した東海大相模。全国の高校野球に携わる方々は、このチームの野球を徹底的に研究して、野球のおもしろさ、難しさ、奥の深さ、そしてルールの解釈を学んでほしい。

まず、試合のポイントだが、調子が今ひとつ上がらない大垣日大のエース・葛西 侑也(3年)に対して、相模打線がどう攻略するかにあった。
立ち上がり、5番時本 亮(3年)のタイムリーで先に点を取ったのは大垣日大の方。相模は1回戦に続いて、公式戦経験のない長田竜斗(3年)をマウンドに送っていた。

 「前回と同じで、3回一回り持ってくれれば」と門馬敬治監督。
関西と違い、大垣日大は1回のチャンスを確実にものにした。
その裏、葛西の立ち上がり。相模で最も警戒すべき1番の渡辺 勝(3年)をショートゴロに打ち取る。少なくてもここまでは、大垣日大にとって最高のスタートだった。

 だが、2番臼田 哲也(3年)が逆方向となるレフト前ヒット。
「ブルペンで見た時からダメだと思った」と阪口慶三監督が語ったように、やはり葛西の調子は良くなかった。実は、新球種のシュートを習得しようと試みた影響もあってか、背中を痛めていたのである。「良くもなく悪くもない状態」と1回戦(東北戦)の前に阪口監督は語っていたが、本当はもっと深刻な状態だったようだ。
臼田に打たれた後、3番田中 俊太に対しては2ボール2ストライクとしながら痛恨の四球。そして4番佐藤 大貢(3年)に同点タイムリーを浴びた。その後は下位打線にも打たれこのイニング4失点。
「せめて、本調子だったなら・・・」と阪口監督は悔やんだ。

一方の相模からみれば、葛西のコントロールの良さに着眼点をおいていた。
「コントロールが良いので、それだけストライクがくる」と佐藤主将が話すように、ストライクこそ好球と、逆方向を意識した打撃で、葛西を精神的に追いこんだ。そしてもう一人狙いを定めたのが捕手の時本である。

葛西と時本。1年秋から大垣日大の要である2人。東海大相模は一昨年の明治神宮大会決勝で、このバッテリーと対戦している。
経験豊富なバッテリーをどう崩すか。1回戦関西堅田 裕太畑 涼介のバッテリーを崩すのとは違った難しさがあった。
「経験があるからこそ、深く考えこませることができる」と話すのは三塁ベースコーチに立つ今井惇貴(3年)。走者を溜めると、この日もどんどん動かした相模陣営。葛西の調子が悪いからこそ、狙いを捕手の時本に絞りやすかった面の相模に味方した。

話を1回裏に戻す。実は佐藤のタイムリーで先制した場面で、門馬監督は帽子が飛ぶほどの大きなアクションで、ある人物を怒っている。三塁コーチの今井に対してだった。
「佐藤がセンター前に打った時、(二塁走者の)臼田を本塁に突入させられる心の余裕なかった」と今井。臼田の判断で本塁に突っ込んだが、一塁走者の田中は結局二塁でストップした。相模のルールからすれば、1点を取りなおも1、3塁にすることが鉄則である。次の打者5番の菅野 剛士(3年)がインフィールドフライに倒れたことも、もったいない印象を増すことにもなった。

 1回を打者一巡で終えた相模は2回も先頭は渡辺から。
「(最初に出塁できず)悔しかった」という渡辺はここはセンター前へヒットを放ち形を作る。3点をリードした余裕からここは2番臼田が強行し成功。1、2塁となって3番田中はきっちりとバントを決めて2、3塁とした。
打席は同点タイムリーを放っている佐藤。3球目、打球は三遊間へ、内野手は取れず抜けたかに思えた打球は二塁走者の臼田にあたって、レフトファウルグランドへと球筋を変えた。戸惑う大垣日大の野手陣。しかしインプレー中で、一瞬ビックリした臼田も楽々とホームインした。

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