2011年03月29日 阪神甲子園球場 

智弁和歌山vs光星学院

2011年春の大会 第83回選抜高校野球大会 2回戦
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道端俊輔(智弁和歌山)

「マスクの中の感性」

 勝敗を分けたのは8回の攻防である。
 この表裏で、主役を張ったのが智辯和歌山の捕手・道端 俊輔だった。

 同点で迎えたこの回、まずは光星学院智辯和歌山の先発・青木 勇人を攻めたてる。
 先頭の3番・川上 竜平が左前打で出塁すると、続く4番・田村 龍弘の3球目に青木が投じたスライダーが暴投となり走者川上は二塁へ。田村が歩き無死一・二塁とすると、続く5番・金山洸昂がきっちりと犠打を決めふたりの走者をひとつづつ進めた。
 一死二・三塁。試合は終盤。光星学院の先発・秋田 教良が強弱を付けた投球で好投を続けていることを考えれば、智辯和歌山にとってはここでの失点が敗戦に直結すると言っていい。一方の光星学院にとっては、勝ち越し、突き放す終盤の一大好機到来である。

 光星学院・6番の天久翔斗が打席に入る。智辯和歌山の内野陣が、極端なまでの前進守備にシフトした。

 青木は新調したスパイクが合わず、軸足親指のマメを潰してしまった7回あたりから、チェンジアップやスライダーを軸とした変化球主体の投球を余儀なくされている。三振か内野フライが欲しい道端が、マスクの中で頭脳をフル回転させる。スクイズに警戒しながら、やはり変化球のみで1ボール1ストライクの平行カウントを作った。

「変化球主体に切り替えたとはいえ、真っすぐのキレを失ったわけではありません。終速も落ちていなかったし、低めにさえ行けば大丈夫かなと」

天久には初回の第一打席に直球を左前に運ばれていた。3球目に、その直球を選択し要求した道端。

「監督から『思い切っていけ』ということだけを指示された場面で、自分も真っすぐ待ちでした。『来た!』と思ってスイングしましたが、捉えることはできませんでした」(天久)

 青木の投じた終速が勝り、打球は力のない三邪飛。これで場面は二死二・三塁と変わる。

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光星学院 【高校別データ】
智辯和歌山 【高校別データ】
第83回選抜高等学校野球大会 【大会別データ】

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