専大松戸、絶対的なエース・平野抜きに逆転勝利、平野以外の選手たちの自立がテーマ



青野流果(専大松戸)

<春季高校野球関東大会:専大松戸5-4相洋>◇22日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ヶ谷

 専大松戸(千葉)が、またも151キロ右腕・平野 大地投手(3年)を起用せずに勝利を収め、準決勝進出を決めた。

 先発したのは、すでに140キロを超える速球を投げる期待の2年生右腕、梅澤 翔大投手。しかし、この日は調子が良くなく、速球は135キロ〜138キロで、スライダーなどを投げ分けるも、思い通りの投球ができず、2回に3失点を喫した。3回には直球を狙い打たれ、川嶋 大輝内野手(3年)に本塁打を浴び、3回途中で4失点。ここで降板した梅澤に代わってマウンドに登ったのは、右サイドの青野 流果投手(3年)だった。

 青野はコンタクト能力の高い相洋(神奈川)打線に対して、狙い球を絞らせない投球を心掛けた。各打者の傾向に応じて、どの球が有効かという事前の分析を元に、正捕手の吉田 慶剛捕手(3年)と配球を練って抑え込んだ。相洋は左の好打者が特に多いが、これまで練習してきたツーシームをうまく使い、無失点に抑えていく。

 打線は2点を追う4回、太田 遥斗外野手(3年)が高校通算10本塁打となるソロ本塁打で1点を返すと、5回には3番・中山 凱内野手(2年)の適時打で同点に追いつく。

 試合は4対4のまま試合が進み、8回、専大松戸は4番・吉田の犠飛で勝ち越しに成功した。吉田は「この打席まで全然打てていなかったのですが、それでもベンチにいるみんなが応援してくれていたので、みんなのおかげで打てた一打でした」とチームメートに感謝した。

 青野は最後まで相洋打線を抑え込み、計7回を投げて無失点の好投。21年の優勝以来、2年ぶりのベスト4を手繰り寄せた。今大会はエースの平野の登板なしで粘り強く勝利。そのチーム力の高さには恐れ入る。

 持丸監督は「ベスト4に入ったことにこだわりはありません。ただ夏前にこうした公式戦を戦えることは貴重であり、夏を見据えていろいろやっています。いろいろ試すには、勝たないといけないのですが」と、勝利そのものよりも、緊張感のある公式戦を戦えることに手応えを感じている。

 今センバツで全国初のベスト8にチームを導いた平野。その大黒柱以外の選手たちの自立が今大会のテーマだが、これで2試合連続の逆転勝利。しかも2試合とも終盤の8回に勝ち越しに成功している。

 準決勝では果たしてエース平野の登板はあるか注目だ。

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