逆転で23年ぶりセンバツ8強、作新学院の投打を担うショートストップの存在

磯 圭太(作新学院)
<センバツ高校野球:作新学院9-8英明>◇25日◇3回戦
作新学院(栃木)vs英明(香川)の一戦は、壮絶な打撃戦の末に9対8で作新学院が勝利し、センバツでは2000年以来、23年ぶりのベスト8を決めた。
投打ともに奮闘したのが、磯 圭太内野手(3年)だ。遊撃手として球際が強い守備を見せ、打者としてもライナー性の打球を連発。そして投手としても130キロ後半の速球を投げ込み、何でもできる今年の作新学院に欠かせない戦力へ成長した。
2回裏からマウンドに上り、好打者、巧打者揃いの英明打線に立ち向かっていく。安打を浴びながらも要所を締める投球が光った。期待の剛腕・小川 哲平投手(2年)は調子が上がらない状況で、磯は小川の思いも背負って投げている。
「センバツに出場できているのは小川が秋の重要な試合で投げて勝ってきたからです。小川の分、控え投手の分、代表して投げていることを自覚してマウンドに立っています。そして打って、小川が甲子園のマウンドに投げられる状況にできればと思っています」
一度、マウンドを降りたが、8回から再びマウンドへ。小針監督からは「また上がるかもしれないので、準備するように」と伝えられていた。投手から遊撃手に戻った後、再びマウンドに上がるのは初めての経験。それだけ作新学院は追い詰められたともいえるが、磯に対する信頼感が大きい証拠でもある。
打者としても8回に追撃となる安打を放ち、1度目の逆転を演出した。それでも磯は「投打ともに反省すべき点が多くありますので、次の試合までに準備をしていきます」と語った。
まさに選手総動員の作新学院。1973年以来のセンバツベスト4を目指す。
(取材=河嶋 宗一)