全国トップレベルの強力打線・智辯和歌山が陥った消極的な打撃

青山達史(智辯和歌山)
<センバツ高校野球:英明3-2智辯和歌山>◇19日◇2回戦
全国でもトップレベルの強力打線である智辯和歌山(和歌山)が英明(香川)投手陣を攻略できず、11安打を打ちながら、わずか2得点に終わり、初戦敗退を喫した。選手たちの口からは「消極的な打撃になってしまった」という言葉が出ていた。
英明の技巧派右腕・下村 健太郎投手(3年)の術中にはまってしまった。対策としては低めの変化球を振り回してしまうと、フライになってしまうため、サイドスローの投手に投げてもらい、高めに浮いたところをたたくという戦法を取った。しかし6回までフライアウトが8。8安打を打ったものの、連打は2回裏のみ。その2回裏も2死からでリズムが乗りにくい。打者が振り回してフライを打ち上げすぎた、という印象を抱いたのも、要所でアプローチを工夫できずに、打ち上げたことが響いた。
消極的になってしまったと選手が反省するのは、打てるコースを見逃してしまい、アウトになったことだ。
さらに、なかなか点が奪えずに悪循環に陥った。高い能力の選手は揃っているが、リズム感が悪く、これではどんなに能力が高くても、実力を発揮できる状態ではなかった。
選手たちは「これが今の自分たちの実力」という。なぜこんなにヘッドの出が悪いスイング、構えになっているのか。そして甘い球に対して手が出ず、打ちにくい球を打ってしまうのか。選手たち自身で考えるしかないだろう。
しばらくは苦しむ時間は長いと思う。これを乗り越えた時、打撃面ではスキのないチームへ成長できるだろう。
頂点を狙うには色々と課題はあるが、再び全国制覇を狙えるチームになることを期待したい。
(取材=河嶋 宗一)