沖縄尚学、課題だった終盤の試合運び、守備を克服し、初戦突破



東恩納 蒼(沖縄尚学)

<センバツ高校野球:沖縄尚学4ー3大垣日大>◇18日◇1回戦

 第95回記念選抜高校野球大会の初日、第3試合は沖縄尚学(沖縄)が大垣日大(岐阜)を破った。

 試合終盤、沖縄尚学の選手たちの頭には、ある試合がよぎっていた。昨秋の明治神宮大会の初戦、仙台育英(宮城)相手に4対0とリードしていたが、9回裏に5点を取られ、逆転サヨナラ負け。選手たちは終盤の粘りと守備を課題として、このセンバツを迎えていた。

 3回裏、4番仲田 侑仁内野手(3年)の満塁本塁打で4点を先制するが、その後は追加点が取れない試合展開が続く。そして大垣日大も追い上げ、1点差まで追いつかれる。主将の佐野 春斗内野手(3年)は「嫌な試合展開だった」と振り返る。

 それでも再三のピンチを防いだ。8回2死一塁では盗塁死で防ぎ、9回も、三者凡退で試合を締め、課題だった終盤を制した。佐野は「苦しい終盤を守りきれたのはチームとして成長できたと思います」と喜んだ。

 先発した東恩納 蒼投手(3年)は強く腕を振ることを心がけたと直球の走りは本調子でなかったが、角度があり、要所を締める投球で、センバツでは捕手を務めた知花 慎之助外野手(3年)も「よく投げてくれた」とエースを称えた。大事な初戦を勝ちきった沖縄尚学。さらに勢いに乗ることができるか、注目だ。

(取材=河嶋 宗一