連覇を狙う大阪桐蔭が4回、ビッグイニングで東邦を粉砕



大阪桐蔭・前田悠伍

 <第53回明治神宮野球大会:大阪桐蔭9-1東邦>◇18日◇高校の部・1回戦◇神宮

 全国10地区の秋季地区大会の優勝校が集結する、年内最後の公式戦ともいえる明治神宮大会。来春のセンバツ大会の前哨戦としての位置づけもあるのだが、昨年の今大会と今春のセンバツ優勝校の大阪桐蔭(近畿・大阪)が、この秋も近畿大会を制して出場してきている。この大会も含めて、「大阪桐蔭のダブル連覇」があるのか、というのも大きな焦点となっている。

 その大阪桐蔭に挑むことになったのが、4年ぶりに東海地区大会を制した東邦(東海・愛知)である。東邦は、その時のチーム以来のセンバツ出場がほぼ確実となっているが、その年のチームは平成最後となったセンバツ大会を制している。エースで主砲は石川 昂弥投手(現中日)だった。この秋のチームは、その弟の石川 瑛貴内野手(2年)が主将となっていることも、話題となっている。

 注目の大阪桐蔭登場とあって、平日金曜日の8時半と早い時間からのプレーボールにもかかわらず、多くのファンが詰めかけていた。こういう光景を見ると、野球人気が低迷してきているとか、何だかんだと言われつつも、改めて高校野球の人気は高い、注目度は高いのだなと思わせてくれる。

 大阪桐蔭は前チームから経験も多い前田 悠伍投手(2年)、東邦も全国的にも注目度の高い宮國 凌空投手(2年)という両エースナンバーの先発となって、好投手戦を期待した。

 初回、2回と共に走者は出すもののお互いにしっかりと抑えていた。そして3回、大阪桐蔭は1死から2番・山田 太成外野手(2年)が中前打で出ると、けん制悪送球と内野ゴロで三塁まで進み、4番・南川 幸輝捕手(2年)の遊撃への内野安打で先制する。しかし、東邦もすぐにその裏、1番・中村 騎士内野手(2年)がやや高めに入った直球を捉えて左翼席にソロを放って同点とした。これで、面白い展開になっていくかと思われた。

 ところが、やはり大阪桐蔭は勝負強い。4回、一気に下位打線から爆発して大量点を奪う。先頭の6番・村本 勇海内野手(2年)の二塁打、バント後、岸本 真生内野手(2年)の右越え三塁打、さらに9番・前田の左中間二塁打。さらに1番に戻って小川以下3連打があって、この回打者10人、6安打3長打で5点を奪いビッグイニングとした。東邦の宮國は、「点を取って追いついてくれた次の回、一番大事な先頭を出してしまったことで、失点につながりました。1球の大事さを感じさせられました」と反省していた。

 追いかける東邦も、4回を除いて8回までは毎回安打は出ていたのだけれども、あと1本が出ず1点止まりとなってしまった。

 大阪桐蔭は、8回にも東邦の3番手として登板した岡本 昇磨外野手(2年)から3番・徳丸 快晴外野手(1年)の右前打、9回には代打・八瀬山 大悟外野手(2年)と村本の連打からチャンスを作って、内野ゴロと失策でさらに加点した。コールドゲームにこそならなかったものの、終わってみたら、大阪桐蔭が大勝していたという結果になった。

 東邦の山田祐輔監督は、「ミスをどれだけ少なくしていかれるのかというところでしたが、宮國も地区大会よりは丁寧な投球ができていなくて、そこを突かれました。全国の高いレベルの野球を体験したことで、この試合で見えた課題を整理しながら、春を目指していきたい」と思いを述べていた。

 大阪桐蔭の西谷浩一監督は、「秋のチームというのは、まだまだ発展途上なので、連覇を狙うなんていうことは考えていませんし、そのレベルになっていませんから」と、これだけの強さを示しながらも例によって謙虚なコメントだった。そして、「試合としては、まだまだ反省点はあります。細かいところでの球際の弱さも見られました」などと語り、さらなる上を見据えていく姿勢を示していた。

(記事=手束 仁

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