強力な浦和学院打線を無力化、横浜のエース・杉山が7安打完封!

完封勝利を収めた横浜・杉山遙希
<第75回秋季関東地区高校野球大会:横浜2-0浦和学院>◇22日◇1回戦◇県営大宮
浦和学院(埼玉)vs横浜(神奈川)の一戦。全国を代表する名門校で、ファンも多い両校の対決ということもあり、試合前から多くのファンで埋まり、混雑の影響で10時45分からの試合開始となった。
横浜は立ち上がりが大事だと強調していたように、慎重に対応した。1回表、2死から三塁打を打たれ、ピンチを招いたが、4番・三井 雄心内野手(1年)を抑えた。リズムを作った横浜は1回裏、4番・椎木 卿五捕手(1年)の右中間を破る適時二塁打で1点を先制する。
この1点で勢いに乗ったのか、先発・杉山 遙希投手(2年)の常時130キロ〜135キロの速球は、県大会以上に走っていて、スライダーのキレ味も良かった。リードする椎木は、浦和学院打線が直球にやや振り遅れ気味と判断し、直球主体で打者を攻めた。直球のスピードは突出したものではなかったが、全身をバランスよく使い、鋭く腕を振っていた。上半身、下半身のバランスが整った時の伸びのある直球には、見応えがあった。
杉山はピンチを迎えても、間合いが単調になることなく、抑えることができていた。3回表、浦和学院の3番・喜屋武 夢咲外野手(2年)が捉えた打球が右中間へ。これを右翼手の荻原 晴外野手(2年)が好捕。椎木も「非常に大きかったです」と笑みを見せたように、横浜に流れを引き寄せるプレーもあった。
横浜は5回裏にも5番・萩 宗久外野手(2年)の適時打で貴重な1点を追加した。
杉山&椎木のバッテリーは秋から。杉山は最初「投げづらいところがあった」と語り、椎木は「僕が下級生なので、なかなか言いづらいところがあった」と最初から信頼関係が抜群だったわけではない。それでもお互い思ったことを言い合いながら、信頼を深めていった。また、杉山はバント処理で進塁を阻止したり、牽制で走者を刺したりと、「これが横浜の投手」と村田監督が語るような、投球以外の技術の高さも披露した。
勢いに乗ったら止められない浦和学院打線を完全に無力化させる7安打完封で杉山の凄みを見せつけた。
準々決勝では健大高崎(群馬)と対戦する。中2日での試合となるが、「しっかりと準備して臨みたいと思います」と意気込んだ。
(取材=河嶋 宗一)