好投手攻略のお手本、仙台育英の安定した強さ目立つ



森蔵人(仙台育英)

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第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:仙台育英6-2愛工大名電>◇18日◇準々決勝◇甲子園

 仙台育英(宮城)が好投手を擁する愛工大名電(愛知)を相手に前半で勝負をつけた。先発の左腕・有馬 伽久投手(3年)から2回まで3得点。大黒柱を早々に「KO」し、勝利への流れをつかんだ。

 とにかくジッとしていなかった。1回、先頭打者が四球で出ると、2番の山田 脩也内野手(2年)との間でヒットエンドランを敢行。左中間への二塁打で無死二、三塁のチャンスを作った。3番の森 蔵人内野手(3年)の犠牲フライで1点を先制。「足攻」が見事にはまった。

 2回はジッとしない打線に拍車がかかる。1死から斎藤 陽外野手(2年)が中前安打で出塁。犠打で二塁にいくと、暴投で三塁へ進んだ。ワンバウンドで捕手が右へわずかにそらしただけだが、積極的に三塁へスタートを切った。わずかなミスも逃さない。心の準備ができていた証拠だ。2死三塁となって、9番の尾形 樹人捕手(2年)が三塁手前へ絶妙なセーフティーバント。三塁手が一塁へ投げられないほど鮮やかに決まった。そこで終わらない。尾形が二塁へ盗塁を決めると、橋本 航河外野手(2年)が中前へ適時打を放った。すべて足をからめた攻撃で3得点。3回から、有馬は右翼手に回った。

 左投手対策としてスタメンに右打者を並べた。3回戦と比べると3番以下はすべて代わった。2番から4番まで右打者を並べ、3回戦まで中軸だった左打者を下位打線に下げた。先制犠飛をマークした森は9番から3番に起用されていた。

 強力投手陣も力を出し切った。先発の斎藤 蓉投手(3年)は5回をわずか1安打無失点。4回までは死球1だけの無安打だった。1巡目は変化球主体、2巡目は直球主体と配球も工夫し71球でチームを乗せた。

 仙台育英は2015年準優勝以来、7年ぶりの4強進出。悲願の初優勝へまた一歩近づいた。

(記事=編集部)