九州学院2年生右腕が大変身、甲子園という舞台は果てしなく選手を成長させる



直江新(九州学院)

トーナメント表
夏の甲子園の勝ち上がり

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第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:九州学院4-0國學院栃木>◇16日◇3回戦◇甲子園

 九州学院(熊本)の直江 新投手(2年)が114球で國學院栃木(栃木)を封じきって、チームに12年ぶりの8強をもたらした。2回戦で優勝候補の智辯和歌山(和歌山)を破った打線を相手に、わずか4安打完封。3回から7回まで無安打に抑える好投だった。

 コントロールと緩急。投手のお手本ともいえるこの2点を駆使して、強力打線を抑えた。力のこもった切れのある直球が外角にズバズバと決まった。さらに外角一辺倒ではなく、しっかり内角へも攻めていた。それも打者の胸元ではなく、膝元へ。低く低く、内外角へ投げ分けた。130キロ中盤でも、ここまで低くコントロールされれば、さすがの強力打線も簡単に打てない。本人も投げていて「気持ちのいい投球」を感じていたに違いない。ここぞの時は140キロを超える直球で勝負していた。

 さらに緩急が面白いようにはまった。6回2死から7回まで4者連続三振を奪ったのが象徴的だった。速球が140キロ近くあって、大きなカーブが100キロ前後。最大で約30キロの球速差があった。カーブが来てタイミングを合わせようとしても、140キロ近い球を見せられた後ではなかなかタイミングが合わなかった。大きなカーブの空振りで奪った三振もあった。

 直江は初戦の帝京第五(愛媛)を相手に先発7回10安打5四球4失点。本人も言っていたがふがいない内容だった。しかし1試合投げて、甲子園のマウンドにも慣れたこともあってか、熊本大会で好調だった自分の投球を取り戻して、この日の快投につなげた。

 チームは甲子園にきて新型コロナの集団感染と診断されるなど、体力面でも心理面でも調整が難しかったが、初戦で試合ができるうれしさを感じ、気持ちの面でも調子が上向いたこともあるだろう。甲子園のマウンドがまた、1人の2年生を成長させた。

 九州学院OBでもあるヤクルト村上 宗隆内野手の弟、村上 慶太内野手(3年)は、1回に先制適時打を放った。こちらは初戦で最初は自分の打撃ができなかったが、終盤に2本の長打をマークしてスイッチが入ったようだ。3回戦は第1打席から結果が出た。タイミングを外され、泳がされた打撃となったが、しっかりミートして中前へもっていった。ミート力は兄とともに天性のものを持っている。次戦は秘めているであろう、長打力を披露してほしい。

(記事=編集部)