漫画のような活躍、近江・山田のタレント性には脱帽



山田陽翔(近江)

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第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:近江7-1海星>◇15日◇3回戦◇甲子園

 打った瞬間、もう叫んでいた。近江(滋賀)のエースで4番、山田 陽翔投手(3年)が7回に試合を決める満塁弾を左翼席に運んだ。2対1で迎えた終盤。接戦の展開にもマウンドで耐えしのぎ、自らのバットでチームを楽にした。海星を自分の一振りで破って、2年連続のベスト8入り。悲願の滋賀県勢初の全国優勝を期待させる勝利だった。

 3球目の直球だった。真ん中やや外よりの高めを強振した。海星(長崎)のエース宮原 明弥投手(3年)と4度目の対決。それまでは3打数無安打。3打席目は外角の切れ味鋭いスライダーに空振りの三振を喫していた。そして迎えた4打席目。宮原は2球続けて外角への直球を投じる。2球ともボールになったが山田のバットは反応しなかった。まるで次に甘く入ってくるのを待つ「ハンター」のように。そして予想通りに狙った球にバットが反応。打球は快音と同時に左翼席へ飛び込んだ。2死からつないでくれた満塁のチャンス。4番として期待に応えないわけにはいかなかったとはいえ、最高の満塁弾。まるで漫画の世界を見ているかのようだった。

 海星打線に2回にワンチャンスをものにされて先制された。しかし、その後は寄せ付けない投球を見せた。7回までに9奪三振。7回は2本の安打を許したが、2者連続三振でピンチを切り抜けた。山田自身、甲子園での通算奪三振数を98として、江川 卓作新学院)の92、松坂 大輔横浜高)の97を抜き、甲子園勝利数も2ケタ10勝に乗せた。

 まさに「無双状態」。エンゼルスの大谷 翔平花巻東出身)のように、何をさせても絵になる男になった。

 海星の宮原は、山田に負けない投球を見せた。重さを感じるような直球に、針の穴を通すようにコントロールされる外角低めへのスライダーを武器に、近江打線を6回まで2失点に抑え、山田には安打すら許していなかった。7回、その山田に満塁弾を許してマウンドを降りて敗れた。しかし、山田に真っ向勝負を挑んだこの日131球目の142キロの直球、くしくも宮原が高校生活最後となった1球には、なんの悔いもないはずだ。

(記事=編集部)