海星エース・宮原が大会完封一番乗り 勝負球・スライダーで日本文理打線封じる



海星・宮原明弥 ※写真は過去の取材より

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第104回 全国高等学校野球選手権大会

<第104回全国高校野球選手権大会:海星11-0日本文理>◇8日◇1回戦◇甲子園

 前評判は日本文理(新潟)のほうが上だったが、海星(長崎)バッテリーの攻撃的精神が予想外の大差を生んだ。この日の直球の最速は日本文理田中 晴也投手(3年)が148キロ、海星宮原 明弥投手(3年)が144キロ。ここまでは下馬評通りだが、内角に直球だけでなくスライダーも配し、打者の踏み込みを許さなかった宮原のほうが実戦的だった。

 圧巻は2回裏、日本文理の攻撃の場面。1死二、三塁で7番井口 虎汰朗内野手(3年)に対して、宮原は初球が141キロの内角直球、4球目が140キロの内角直球でカウントは2-2となる。ここで高めスライダーで空振りの三振。さらに8番才須 海心内野手(3年)にも1、3、4球目で内角にスライダーを投じ、1-2のカウントから高めのスライダーを配し空振りの三振に切って取った。この高めのスライダーはメジャーリーグの大谷 翔平(エンゼルス)のピッチングに親しんでいる人にはわかると思うが、メジャーリーグではトレンドと言ってもいい球である。大谷の影響力の強さがこういう場面を見ているとよくわかる。

 宮原で良かったのは球種ではスライダーだ。田中と比較すると、田中はステップしてすぐ上体が追いかけてしまうので体が十分に割れない。直球の速さには悪影響はそれほど現れないが、スライダーは球持ちが十分でないうちに投げるので球の変化が早く、打者の見極めを容易にする。それに対して宮原はステップしてから間を置いて上体が前に向って行くのでテークバック時の体の割れが十分で、スライダーを投げるときの球持ちも長い。2回裏のピンチの場面で躊躇なくスライダーを勝負球に取っておいたのは、それだけスライダーに対する自信があったからだろう。ちなみに9奪三振のうちスライダーが結果球だったのは7個と多い。

 野手では宮原の女房役、西村 陽斗捕手(3年)がよかった。捕手としてイニング間の二塁送球ではAランクの強肩と言ってもいい1.8秒台を2本計測し、日本文理に走塁のスキを与えなかった。バッティングでは5打数4安打4打点を記録したが、効いたのは初回の三塁打だった。田中が投じたのは初球から143、144、145キロの直球。この時点では得点を入れられていないので田中は速い直球に自信があったのだろう。コースは3球とも真ん中付近で、西村は3球目を捉えて右中間に2点タイムリーの三塁打を放った。これ以降、田中は内角に神経を使い、緩急も交えるようになるが、遅きに失したと言っていい。

(記事=小関 順二