突出とした実力を持った選手がいなくても…青森山田が2試合連続で延長戦を制しベスト4



4番ファースト・加藤優(青森山田)

<第69回春季東北地区高校野球大会:青森山田4-3羽黒(延長10回サヨナラ)>◇10日◇準々決勝◇福島県営あずま

 青森県大会優勝の青森山田羽黒(山形)と対戦。初戦の明桜(秋田)戦に続き、延長戦を制し、2季連続でベスト4入りを決めた。

 近年、青森山田堀田 賢慎投手(巨人)、速球派右腕・小牟田 龍宝投手(亜細亜大)などパワー型の速球投手を擁していた。今年はそんな投手はいないが、そういう投手陣ではない時ほど、秋春連続で東北大会ベスト4まで勝ち進むのだから野球は面白い。

 青森山田の先発・馬場 大河投手(3年)は2回3失点で降板してしまったが、2番手・相馬皇士郎投手(3年)が、右スリークォーターから常時130キロ〜133キロ程度の速球を低めに集め、スライダー、カーブなどを集めながら、強打の羽黒打線を抑えていく。

 兜森監督としてはこの2人で勝ちたいところだったが、総力戦で勝ちに行く狙いで、3対3で迎えた9回表から、左腕エースの堀内 友輔投手(3年)を起用した。堀内は120キロ後半だが、カーブ系の変化球をうまく投げ分け、無失点に抑える。

 最後は勝負強い4番打者へ成長することを期待して送り出している2年生の加藤 優内野手が10回裏、1死一塁からライトオーバーの適時二塁打でサヨナラ勝ちを決めた。兜森監督は「堀内以外の投手陣が成長したことで継投策ができるようになった。去年秋からの成長点です」と投手陣をたたえた。

 今年のチームについて兜森監督は「突出した実力を持った選手はいませんが、レギュラーとベンチ入り選手との力の差が少ないチームです」と評する。いわば総力戦、長期戦に強いチームということになる。

 勝ち進むごとに強さを発揮する青森山田ナイン。準決勝の相手、東北(宮城)も強力なチームだが、粘り強い戦いを目指す。

 敗れた羽黒には、ポテンシャルの高い選手が多かった。背番号10の本間 葉琉投手(3年)は最速145キロを誇る速球派右腕。スリークォーター気味の直球はこの試合で常時130キロ後半(最速139キロ)を計測し、スライダー、フォーク系の変化球の精度も高く、夏も期待が持てる。また、176センチ、84キロと恵まれた体格の三浦 奏内野手(3年)は逆方向へ鋭い打球が打てる。大型捕手・川田 海(3年)は強肩強打で、高校通算10本塁打を超えている。

 東北大会2試合で防御率1.23と好成績を残したエース右腕・五十嵐 竜投手(3年)は130キロ前後ながら、切れの良い変化球を投げ分ける。右速球派の本間に、技巧派の五十嵐と違うタイプの投手がいるのは心強い。澁谷監督も「2枚看板が確立したのは収穫です。夏までエースナンバーを競わせていきたい」とさらに競争を促しながらレベルアップさせる。

(記事:河嶋 宗一

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