JR東日本vs明治大
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23年のドラフトへ期待かかる明治大の逸材が1発 シーズン初はアーチで弾みつける
ホームラン放った明治大・上田希由翔
<社会人対抗戦:JR東日本7-1明治大>◇27日◇神宮
近年のアマチュア野球界において、毎年ドラフト指名選手を輩出しているJR東日本と明治大。JR東日本は11年連続、明治大は12年連続と輝かしい実績を持つ両チームが社会人対抗戦で対戦した。
試合はJR東日本が、初回の5得点で主導権を握って勝利。3週間後にリーグ戦が迫った明治大にとっては課題を残す一戦だったが、2023年のドラフトに期待がかかる3年生スラッガー・上田希由翔内野手(愛産大三河出身)が調子の良さを見せた。
「今年になってから起用されるようになった」という1番打者でスタメン出場を果たすと、3回の第2打席に右翼席へホームランを放った。2022年シーズンに入って最初のホームランで、「少し自信になりました」とリーグ戦に繋がる一打だった。
田中監督は「足もあるので、4番に置くのが勿体ない」と、50メートル6.0秒の快足を生かすために抜擢しているが、これまでは4番で起用されることが多かった上田にとって初の1番打者。慣れない打順に戸惑うことが多かった。
「オープン戦で4、5試合くらいやっていますが、最初は『出塁しないといけない』と思って当てに行くスイングをすることで、自分の強いスイングができていませんでした」
持ち味である長打が影を潜め、思うような結果を残せずに苦労を重ねた。ただ「長打を出すことが1番のメリットだ」ということに気づいたことで、調子が上向きになってきているという。
加えて「清宮幸太郎選手のような4番タイプも1番を打ったりするので、立ち振る舞いなどを見ています」とプロ選手から取り入れられることを盗み、徐々に「1番・上田希由翔」を確立しつつある。
また、この試合は途中でセカンドのポジションに変わった。リーグ通算3本塁打で50メートル6.0秒に加えて、複数ポジションを任せることができるのであれば、ドラフト戦線においては強みになるだろう。
「チームには迷惑をかけるかもしれませんが、自分の中で幅が広がると思うので、できることをしっかりできればと思います」と選択肢が広がることには前向きにとらえていた。
とはいえまだ3年生。本格的なドラフト戦線に浮上するのは、2023年だが、そこに向けての準備期間として、1年間でどれだけの成績を残せるか楽しみだ。
12年連続指名の期待かかるJR東日本 ドラフト候補2投手が明治大に実力発揮
JR東日本・小野寺楽夕
明治大を相手に、社会人としての強さを示したJR東日本。ドラフト候補として注目される小谷野楽夕投手(日大三出身)と河浦圭佑投手(小倉高出身)がともに登板し、大学生を力でねじ伏せた。
2番手で登板した最速151キロ右腕の小谷野は、2回2奪三振で無失点。183センチ、80キロと公式では明記されており、見た目ではわからない引き締まった体格から140キロ中盤を計測する快速球を投げ込む。
フォームも洗練されており、無駄が少ないからこそ、効率よく力が伝わっているのだろう。
3番手の河浦はリードする左腕を高々と上げるのが印象的だが、こちらも真っすぐは140キロ台を計測。110キロ台の変化球も織り交ぜて、1.2回を2奪三振無得点と貫禄を見せつけた。
大会で結果を残すことはもちろんだが、12年連続のドラフト指名の期待もかかるJR東日本。2022年シーズンも、見逃せないチームであることは間違いなさそうだ。
(記事:田中 裕毅)
[page_break:明治大のスタメン]明治大のスタメン
1番三塁手・上田希由翔(3年=愛産大三河)
2番捕手・蓑尾海斗(4年=日南学園)
3番遊撃手・宗山塁(2年=広島広陵)
4番右翼手・瀬千皓(1年=天理)
5番一塁手・西山虎太郎(4年=履正社)
6番左翼手・日置航(4年=日大三)
7番中堅手・長南佳洋(4年=八戸学院光星)
8番二塁手・堀内祐我(3年=愛工大名電)
9番投手・蒔田稔(3年=九州学院)