元二塁手が大エース石田隼都を盛り立てる影のMVPへ。サヨナラ打の小島大河の成長の足跡



サヨナラで優勝を決めた東海大相模

 春夏通じて初めての優勝を目指した明豊を下し、10年ぶりの優勝を東海大相模が掴んだ。

 8回終わって2対2の同点の展開で延長も視野に入っていた9回、東海大相模は先頭の深谷 謙志郎の内野安打からチャンスを作る。9番・石田 隼都の送りバントなどで、東海大相模は一死満塁にした。この場面で3番に座る小島 大河がショートへ痛烈なライナーをはじき返す。明豊・幸 修也も懸命に飛び込みグラブに触れたが、打球はセンターへ転がりサヨナラ。東海大相模が10年ぶりに春の日本一に輝いた。

 今大会は表の立役者といえば、今大会無失点の大エース・石田 隼都。その石田の持ち味を大きく引き出した捕手の小島は影の立役者といっていいだろう。驚きなのは、小島は捕手としての公式戦の経験がほとんどないことだ。

    昨秋まで3番・セカンドで出場していた小島は、1年生の冬から少しずつ練習を重ねていた経験もあり、今大会は正捕手を託された。遠投95メートルと突出した数字ではないが、捕球してから送球に入るまでの動作が早く、決勝戦のイニング間の送球では手動ながら1.73秒をマーク。それ以外は二塁送球は1.8秒台をマークしていた。強肩を活かしてスローイング1.8秒前後をマーク。ストッピングも長けており、石田をはじめとした強力投手陣のボールもきちんと止めていた。

 そんな小島の力量、取り組みぶりはチームメイトもしっかりと認めていた。

 「キャッチャーとしての経験は少ないですが、冬場に沢山の練習をしていたので、安心感がありました。良いキャッチャーだと思います」(門馬 功

 「今日の試合でも腕振って来いと言われましたが、やっぱり頼りになる存在です」(石田 隼都

 しかし小島は昨秋、捕手としての公式戦のほとんどやい。最も苦労したのは配球だった。
 「練習試合の時に指導者の方にアドバイスをもらいましたし、自分でも動画を見たりして配球に関しては凄く勉強しました」

 心掛けていることは投手の特長を活かすこと。ここに関しては明豊戦で2番手で登板した求 航太郎は、「ピッチャーの良さや性格の部分まで理解してくれたうえで、上手くリードしてもらえました」とコメントをしている。今大会、東海大相模が失点したのは3点のみだが、その一役を小島が担っていたといっていいだろう。

 その代わり小島は、今大会の通算打率.200と苦しんでいたのだが、小島本人が語ったのは周囲への感謝の言葉だった。
 「打てなかったことは悔しかったです。ですが、その代わりにみんなが打ってくれたので、僕は守備に集中することが出来ました」

 それでも3番として出場し続けた最後は決勝の舞台で優勝を決めるサヨナラ打を放ってみせた。喜んだ小島も試合後は次の大会へ切り替えていた。

「ここで終わりではないので、切り替えて次の大会に臨みたいと思います」

  春季神奈川県大会は4月10日より開幕する。多くのチームが春の大会に向けて新たな一歩を踏み出している。優勝した喜び、達成感を胸に、明日から東海大相模も新たな一歩を踏み出していく。