東海大菅生、秋ベンチ外のスラッガーが大会1号!地力の高さを発揮し、センバツ初勝利!

鈴木悠平
東海大菅生と初出場の聖カタリナ。どちらも勝てば選抜初勝利ということだった両チームだが、この一戦は東海大菅生の凄みを発揮する一戦となった。
2回に6番に入った 東海大菅生・鈴木 悠平がポール際に飛び込む大会第1号となるホームランで先制すると、続く3回には3番になった千田光一郎がレフトスタンドへホームランで2点を追加。3対0とした。
その後、聖カタリナにじわじわと追いかけてきたが、7回に5番・小池 祐吏の犠牲フライで4点目を奪った。最後は千田が1点差まで詰め寄られたが、同点までは許さずにゲームセット。聖カタリナ・櫻井 頼之介を攻略して2回戦進んだ。
今大会最初のホームランを放ったのは、秋までは控えの選手だった。
大会4日目まで終わってホームランが生まれず、「いつホームランが出るんだ」と関係者の中では話題となっていた。そんななか記念すべき一本が東海大菅生・鈴木 悠平だった。鈴木の名は大会前の取材から耳にしており、こんなコメントをしていた。
「鈴木 悠平が一冬かけて伸びてきています。確実性が上がってきたので、楽しみです」(若林監督)
2月から始まった紅白戦では4番に起用されるほどの期待振り。対外試合でも好調を維持すると聖カタリナ戦ではスタメンの座を掴み、この日も4打数1安打1打点と期待に応えるバッティング。記録と記憶に残る最高の結果となった。
「ホームランはビックリしましたが、ダイヤモンドを回っている時は歓声が凄くて夢のようでした」(鈴木悠平)
鈴木は都大会優勝の瞬間をスタンドで見守ったが、「逆にチャンスだ」と言い聞かせて、冬場に練習を重ねた。スクワットを中心としたトレーニングやバットを振りこんでバッティングに磨きをかけた。その時、鈴木が考えていたことは下半身主体のフォーム、そして「甲子園でホームランを打つ」ことだという。
まさに夢を実現させる一本だったが、このホームランには「秋はメンバー外でしたので、不安はありました。でも甲子園の舞台でどでかい一本を打つんですから大したものです。次も楽しみです」と若林監督は鈴木をほめたたえた。
ただ東海大菅生が掴んだ収穫は野手陣だけではない。投手陣を見ても、聖カタリナ戦ではエース・本田 峻也を登板させることなく、鈴木 泰成、松永 大輝の2番手以降の投手陣で3失点に抑えて勝利できたことは大きい意味がある。
本田の不調があり先発は鈴木 泰成。そして松永 大輝、千田と繋いで逃げ切ったが、投手時について若林監督は「自分の持っている力の70、80%くらいを出せればある程度計算が出来るだけの投手陣になってきました」と冬を超えて投手層にも厚みが出てきたことに手ごたえを感じていた。
秋は控えだったメンバーが中心となって甲子園での初戦は白星を掴んだ。2回戦以降も冬で培ったチーム力を結集して、全国のライバルを倒していけるか。
(取材=編集部)