福岡大大濠・毛利海大の10Kに屈するも随所に九州王者・大崎のすごみを発揮


毛利海大

 今大会は1回戦から数多くの好カードが実現していたが、その中の1つには福岡大大濠大崎の一戦は含まれている。九州大会決勝の再戦であり、そして福岡大大濠毛利 海大大崎坂本 安司の好投手を擁するチーム同士だからだ。

 2回、エラーで出塁した福岡大大濠5番・北島 瑞己などを塁において、8番・松尾 光気がセンターへ運ぶタイムリーで福岡大大濠が先制。試合を先に動かした。

 大崎は7回に7番・坂本 安司がタイムリーを放ち、2対1と1点差に迫ったが、あと一歩が届かず。両投手による投手戦は福岡大大濠大崎を2対1で下す形で再戦は幕を下ろした。

 注目された一戦は期待通りの内容だったが、大崎はリベンジされる結果になった。しかし大崎・坂本の投球は全国の舞台でも輝いた。最速138キロのストレートに加えて、スライダーやツーシームと言った変化球のコントロールが良く、持ち前の安定感が光るバランスの良い試合を作れる投手だった。また失点した際はエラーこそ出たが、大崎全体の守備力も高くレベルの高いチームだったことも印象深い。1回表、一死一、三塁のピンチを処理が難しい打球から遊撃併殺に打ち取ったり、外野手が好捕したり、守備1つ1つに確かな鍛錬によって成り立っていると思わせるものだった。

 しかし清水監督は守備に関しては「エラーも出ているのでまだまだです」と満足はいかない表情ではあったが、大崎の選手たちが守備面で大事にしているのは常に足を動かすこと。足を使って正面に入り、スローイングまで下半身を使って完結させる。大会前の練習でも甲子園だからといって特別な準備をせずに、普段通りのことを徹底する。「まだ一生懸命練習をすることが大事なので」とのことだが、当たり前なことを徹底することで、大崎の守備力は磨かれた。

 また完投した坂本に関しては「カット系が狙われて打たれてしまって。それでテンポができずにリズムができませんでしたね」と一言だけ清水監督は語ったが、坂本本人は自身の投球をこう振り返った。

 「カット系は狙われていたのですが、キレがなかったですし修正することが出来ませんでした。冬場にやってきたコントロールもまだまだでしたので、レベルを上げないといけないと思います」

 福岡大大濠サイドの選手たちに話を聞いても、「真っすぐのキレが一番だと思いますが、今日も出ていたと思います」(川上 陸斗)というコメントもあった。本人は課題を多く口にしているが、対戦相手は脅威を十分に感じていた。

 坂本は140キロという目標を掲げながら練習に取り組んできた。甲子園では目標には届かなかった。チームもほんの一瞬のスキを突かれ、勝利を届けられなかった。しかし初めての全国の舞台でインパクトを残した。もう一度甲子園に戻るため、再び離島から甲子園を目指して一歩ずつ進んでいく。

(取材=編集部)