明徳義塾「代木無双」で2年連続11度目の秋の四国頂点戴冠!



今秋7完投目を果たした明徳義塾・代木 大和(2年)

 まずは敗れた聖カタリナ学園について触れていこう。7回までは「リリーフに櫻井 頼之介(2年・右投右打・170センチ58キロ・尼崎ボーイズ<兵庫>出身)を置いてプレシャーをかけていく」越智 良平監督が描いていた試合運び通り。特に「櫻井が準決勝で180球近くを投げていたので、次は自分がと思ってた」と最速137キロの重いストレートと、130キロ台前半のシュート・110キロ後半のスライダー・100キロ台のカーブを駆使し、6回89球3安打3奪三振3四球2失点という内容での仲田 隆晟(2年・右投右打・184センチ74キロ・高槻市立如是中<大阪>出身)のクオリティースタートは、次の舞台での上位進出を見据える上でも大きな収穫であった。

 ただ、ことこの試合、今大会……。いや、2020年秋の四国地区高校野球はこの男を称する四文字で端的に表現できるだろう。「代木無双」こと明徳義塾左腕・代木 大和(2年・左投左打・183センチ75キロ・川之江ボーイズ<愛媛>出身)。

 この決勝戦でも9回93球5安打4奪三振1四球1失点。加えて8回表には聖カタリナ学園・櫻井から試合を決める右中間2点三塁打を放つワンマンショーで2年連続11回目となる秋の四国頂点を勝ち取ってみせた左腕の2020年・秋は県大会から通じても最速135キロ。この四国大会決勝戦も最速130キロながら、秋に本格化させたカットボール・スライダー・カーブを120キロ前後で操る制球力はどの試合でも絶品。

 その他にも勝負どころでの巧みな駆け引きなどは、今季、卓越した成績を残す中日ドラゴンズの左腕・大野 雄大すら想起させる。この代木の活躍には勝っても負けても課題を常に提示する馬淵 史郎監督ですら「素晴らしい」と絶賛の言葉を贈った。

 かくして秋全体の数字で示しても7試合7完投・4完封(うち7回完封2度)。62回・807球を投げ234打者に対し被安打42・54奪三振・四死球10・失点及び自責点4で防御率0.58と圧巻の成績を残した代木。それでも試合後には「連投が効く今のフォームのまま筋力を上げて、ギアを上げて球速も出せるようにしたい」と次なる課題を自らに課した彼が真に覚醒した暁には、全国のみならずアジア・世界を驚かす左腕誕生の予感がする。

(取材=寺下 友徳