延長12回・2時間57分を「捕手継投」で制した聖カタリナ学園、初聖地の扉を開く!



3打席連続申告敬遠を含む2打数2安打5四球の聖カタリナ学園4番・川口 翔大(2年・遊撃手)

 愛媛県大会準決勝の再戦は、持てる力を出し合った好勝負となった。まず口火を切ったのは1対6で敗れたリベンジに燃える小松である。

 3回表には1番・福島 未来翔(2年・二塁手・右投左打・175センチ66キロ・えひめ西リトルシニア出身)が、この試合で自己最速145キロを出した聖カタリナ学園・櫻井 頼之介(2年・右投右打・170センチ58キロ・尼崎ボーイズ<兵庫>出身)のストレートを完璧にとらえた右中間三塁打を突破口とし、二死一・二塁から「強い打球でつなごうと思った」4番・赤尾 颯斗(2年主将・右投左打・165センチ69キロ・今治市伯方中出身)が相手遊撃手グラブを弾く執念の安打で先制。続く4回表には外角一辺倒となった櫻井の配球を見切り、1申告敬遠を含む4四球を選んで追加点も手にした。

 しかし、聖カタリナ学園もすぐに反撃。4回裏に二死三塁から9番・田代 勝也(2年・中堅手・右投右打・169センチ69キロ・愛媛松山ボーイズ出身)の三遊間適時打で1点を返すと、越智 良平監督は5回表、ベンチワークで選手たちをサポートする。

 一死二塁のピンチを背負うと櫻井の女房役を「配球のタイプが違う」石川 航大(2年・右投右打・168センチ60キロ・川之江ボーイズ)に交代。いわゆる「捕手継投」である。はたして、その効果は絶大だった。櫻井はストレートからスライダー中心。かつ内角を突く投球に内容が一変。捕手交代までに88球を費やしていた球数も、以降は1イニング15球を超えることもなくなった。

 そんな櫻井のテンポアップはすぐに5回裏の聖カタリナ学園・同点劇につながることに。対する小松も共に140キロをマークした越智 海斗(2年・右投右打・177センチ73キロ・今治市立大三島中出身)から古本 裕大(2年・右投右打・178センチ73キロ・今治市立大島中出身)への「しまなみ海道」継投と、赤尾の2度に渡る本塁好返球。さらに聖カタリナ学園4番・川口へは3打席連続申告敬遠と、すべての手を尽くして守りに守ったが、17時を越えての日没コールド・13回からのタイ・ブレーク採用も頭をよぎった延長12回裏・ついに試合が動いた。

 二死一・三塁で打席に入ったのは聖カタリナ学園の5番・堀越 瑠雄(2年・一塁手・右投右打・167センチ75キロ・松山城西ボーイズ出身)。準々決勝・高松商戦でも決勝打を放っている難敵に対し、ここまで投手陣を元気かつ冷静にけん引してきた森井 陸(2年・捕手・右投右打・176センチ70キロ・神戸甲南ボーイズ<兵庫>出身)が選択したプランは「ストレートで1球目・2球目は同じストレートで内角を突いて、スライダーでひっかっけさせる」。しかしその2球目はわずかに真ん中へ。「全身を叩いて力を抜いた」堀越の捉えた打球は16時25分・ライト線で弾んだ……。

 かくして2時間57分の激闘を制し、創部5年目にして初の聖地到達への扉を開いた聖カタリナ学園。ただ「いい試合はできた」(宇佐美 秀文監督)小松も、初のセンバツ出場権利を得る十分な資格を有していることは、この試合を様々な形で目に・耳にした人々の誰もが感じたに違いない。

(取材=寺下 友徳